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シロツメクサ Ki -side K- 4 ページ3

「…え?」

「ママもお友達とお別れなんだ。寂しいけど、宏光も我慢出来るよね?」

かーちゃんは言う。



かーちゃんはズルい。

自分も我慢するから俺にも我慢しろって。
そう言われたら俺が弱い事を知ってる。



だから次に幼稚園に行った時
Aちゃんに自分から声をかけて遊ぼうと思った。



朝、幼稚園について

「Aちゃん」

声をかけたらAちゃんはニコッて笑って

「ヒロくん、おはよう」

嬉しそうに言うから。



やっぱAちゃんが大好きで。

大好き過ぎて離れたくなくて。



遊びたいけど『遊ぼう』って言えなくて
引越しの事も言い出せなくて

「おはよう」

って挨拶を返して逃げるように男の子たちの輪の中に入った。



そして帰りの会で俺の引越しの話が告げられる。

「ヒロくんが遠くに引っ越すことになりました」

「「「「えぇーーっ」」」」

みんなが俺を振り返る。

その中にAちゃんがいた。



俺と目が合うと
泣きそうな顔をするAちゃん。



そんなAちゃんに声を掛ける事も出来なくて。

次の日幼稚園に行くと
Aちゃんは熱を出しておやすみだって言う。



次の日も、その次の日も。



幼稚園に行く最後の日も
Aちゃんはお休みだった。



バチが当たったんだ。

意地悪して素直にならなかったから。

そう思った。



最後にAちゃんに挨拶出来なかった俺は
幼稚園から帰っても一言も口をきかなかった。

ただ拗ねてる俺に
ただでさえ引越しの準備に追われてるかーちゃんがブチ切れる。

「宏光!いい加減にしな!!」

かーちゃんの気持ちも分かるけど
俺だって悲しいんだよ。



部屋の隅でいじけてる俺に
とーちゃんが

「ごめんな、俺の都合で」

申し訳なさそうに謝ってくるけど。



違うんだよ、とーちゃんのせいじゃないんだよ。

黙って首を振る俺に
とーちゃんがぽんぽん、って頭をしてくれた。

「何があったか、話せるか?」

優しく声をかけられてポツポツと話した。



Aちゃんのこと。

意地悪しちゃったこと。

お別れ出来てないこと。



全部聞いてくれたとーちゃんは

「よしっ、じゃあ明日の朝、引越しの前にママに内緒で幼稚園行っちゃおうか」

かーちゃんに聞こえないように
ちっちゃい声で言う。



あんなにプリプリしてるかーちゃんに内緒とか
後からとーちゃんも怒られないかな。



でも
Aちゃんとお別れはしたい。



だから

「うん」

とーちゃんの好意に甘えることにした。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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