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シロツメクサ Ki -side K- 21 ページ20

二階堂の研修は一週間。
すれ違いで今度は俺が研修に行って
戻った日。

明らかに二階堂は凹んでて。

「どーした?二階堂?」

聞いても

「……なんでもないです」

力なく言う。



何なの?二階堂もAも。



二階堂を飲みに誘うと

「Aさんに嫌われちゃいました。めっちゃ避けられてるんです」

ボソボソと話し出す。



どうやら同級生の結婚式用のムービーを撮って
その子と会うのも久しぶりだったし
営業の血も騒いで
盛り上げなきゃと思って笑って話してる所をAに見られたらしい。

まぁ二階堂からしたらそーだろうな。
うちのオフィス見に来たっつー事は
お客さんになる可能性めちゃくちゃ高いわけだから。

そんなのAは知らねーから
他に女出来たって思うわな。



つーかそーゆー事なら
Aも言やーいいのに。

話聞きゃしねーし勝手に避けるし。



だからつい言った。

「つーか二階堂もあんな面倒なやつ辞めたら?」

「…え?」

二階堂がびっくりして俺を見る。



「だって誤解なのに話も聞いてくんねーやつ、面倒だろ」



ったく、人の話聞く耳くらい持てっつの。



iQOSを吸い始めると

「…面倒なんかじゃない」

二階堂がちっちゃい声で言う。



「多分だけど。俺が他に好きな人出来たんだろうな、って思って避けてるだけなんだよ」



「…へー」

なんだよ、分かってんじゃん。



「ただ、自分より他人やチェリーちゃんを優先しちゃって全部自分のことは後回しにしちゃうだけなんだよ」

二階堂が泣きそうな顔で言う。



……何かいいな。

Aは二階堂が好きだから
二階堂のために身を引こうとしてて
二階堂はそんなAを放って置けないとか。



Aと二階堂ならうまくいくんじゃねーかな。



「お前を思って身を引いたってことは、本当はアイツが誰を想ってんのかって考えたことねーの?」


ブカブカタバコ吸うAの事を分かってあげられるのは俺だけかな、なんて
少しでも思ってたのが恥ずかしい。


聞くと「えっ?」て顔をする二階堂は
他人の気持ちには優しいのに
本当に自分の気持ちには鈍感。



しょーもない2人だな。

慌ててAの所に行く二階堂の背中を見送る。



これでよかった。
Aと二階堂が幸せならそれでいいや。

「すいませーん!ビールくださいっ」

ビールを注文してほぼ一気に飲み干した。



これでよかった。

うん、よかったんだよ。



でも何だか寂しくて。
明日も仕事なのに深酒しちゃった。

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shizu(プロフ) - ななこさん» コメントありがとうございます!伏線の回収に必死になってます(笑) そして早く各ストーリーの「その後」を書きたいので最近更新しております。また読みに来て下さいませ! (2021年3月1日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ななこ(プロフ) - すぐ近くにいるいつも読ませて頂いてます!!ここまで読んできて、過去のお話に全部繋がってるのがすごくてめちゃくちゃ楽しいです!!!これからも更新楽しみにしています! (2021年3月1日 21時) (レス) id: 6f285e02f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年2月21日 18時

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