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妹。F -side you- 35 ページ7

リビングに行くと
たい兄はいなくて。

電話が終わったみたいで
部屋にいた。



ノックして部屋に入ると

「どうした?」

たい兄が聞いてくる声が
優しくてどこか甘い。



「たい兄ー。2時間だけ寝たいから2時間経ったら起こして」



たい兄の顔を見たら
好きが溢れちゃうから見ないでベッドに入る。



「自分の部屋で寝なよ」

「やだ。たい兄のベッドがいい」



ここで寝るのも最後にするから。



もう疲れた。

ただ眠りたい。



たい兄の腕の中で寝たら
もう引き返せない。



だから今
1人でお別れしたい。



たい兄のベッドからの
たい兄の香りにクラクラする。



すごく好き。

今でも大好き。



でももう疲れた。



無理だったんだよ、
たい兄が私のこと意識するとか。



たい兄にとって20年近く妹でしかなかった私を
女の子だと思うのって難しいよね。



看護師になるためにも
まずはたい兄への想い忘れないと。

あと1年ちょっとで
たい兄のこと解放するから。

でももうたい兄に余計に甘えるのも辞めにするから。



フワフワする意識の中
たい兄の夢を見た。

たい兄と海辺をデートする夢。

夢の中でたい兄はものすごく優しくて
ずっと手を繋いでくれて
最後にいっぱいキスをした。



これでお別れだ。

もうただの兄妹に戻らないと。



フワフワした感覚の中。

ものすごく気持ち良くて。



たい兄は頭を撫でてくれる。



あぁ、こんな幸せな気持ちになれたなら
諦めてもいいかもね。

なんてフワフワした感覚の中思っていた。



そして、この日を境に
たい兄に必要以上にくっつかなくなった。

とにかく看護師になることに集中した。

さらに自分の事は自分でやった。



たい兄は特に不思議に思って無かった。

それが当たり前だと思ってたんだろう。



辛い、と思う気持ちを勉強にぶつけて
唯ちゃんや秋山くんに追いつけるようになった。

それに焦ったのか永瀬くんも成績が上がって
全員就職先も大きな病院を選べるくらいに。

秋山くんは元々地元が大阪だけど
私はたい兄と距離的に離れたかったし
唯ちゃんはおじいちゃんの調子が悪いらしく
地元に帰ることにした。

永瀬くんは唯ちゃんについてくるらしく
結局3人同じ就職先を目指すことになる。

国家試験前はたい兄が協力してくれて
問題を出してくれて答えられたらご飯が豪華になるとかしてくれたお陰で
無事に合格。



就職先も決まって
後は卒業を残すだけになり
たい兄との時間も残り僅かとなった。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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