シロツメクサ Ki 19 ページ42
「「かんぱーい」」
今日は北山さんの部屋。
お祝いだって北山さんも言い張るから
お酒を買い足して
おつまみも買って
ガッツリ飲もう!ってことに。
それならと思って
香水の香りも落とすためにシャワーを浴びて
服も着替えて北山さんちに向かう。
すっぴんメガネで現れた私に
北山さんは
「アハハ、飲む気満々だね」
笑って部屋に入れてくれた。
北山さんの部屋は
モノトーンだけどどこか優しい雰囲気。
北山さんの雰囲気がそうさせてるのかな。
「俺ね、本当に良かったと思ってんの」
北山さんは言う。
なんの事かはさすがに分かる。
「よこーさんとあの子、どっち好きかなーって思った時にやっぱよこーさんで。よこーさんの幸せしか考えらんなくてさー」
って言うけど。
それじゃあなんで
北山さんはそんなに寂しそうなんだろう。
「多分ねー、もう恋って感情欠落してんの」
北山さんは笑う。
「後輩と同期が付き合いだした時も今も…」
そう言って北山さんはグッと酎ハイを煽るように飲んで
「思ったより悲しくないし、後輩やよこーさんが幸せで、相手の子が幸せで良かったって思っちゃう」
クスッて笑う。
無理しなきゃいいのに。
何で無理して笑うんだろう。
なんだかイライラした。
自分が嫌な思いして今日終わったから
余計にかもしれない。
「じゃあ何で、そんなに寂しそうなの?」
黙って居られなかった。
「寂しいなら寂しいでいいのに何で笑うの?」
私が尋ねると北山さんはそこで初めて笑うのをやめた。
そしてしばらく黙った後で
「多分、何で俺にはそんな人が現れないのなって思ってるんだよね」
つぶやくように言う。
「フラれた時ってさ、どこか悲しくも悔しくないの。ずーーっと。寂しいだけで」
北山さんが言う言葉に
思わず「あっ」て言いそうになる。
分かる。
悲しいより『寂しい』がある。
「ただただ1人が寂しいだけで。誰でもいいんだよ正直」
それも分かる。
だから呟いた。
「結局、恋してないんだよね」
「そー、それ」
私の呟きに北山さんは
いつもの満面の笑顔じゃなくて自嘲気味に笑う。
「人のぬくもりとかは欲してるんだけど、別にえっちなこととかどーでもいいし。人の温もりだけ感じたいなー、くらい」
北山さんの言葉がストンと自分の中で落ちた。
「あーそれ分かるなー」
思わず心から呟いた。
すると北山さんが言う。
「…じゃあさ、一緒に寝てみない?」
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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時