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シロツメクサ Ki 8 ページ31

「タメ!?」

どう見ても20代前半でしょ!
思わず立ち止まる私に

「アッアッアッ、それって年下だと思ってた反応だよねー」

北山さんが笑ってる。



「あのコンビニはさすがにもう聞かれないけど未だにタバコ買うとだいたい免許証見せてって言われんの」

「……でしょうね」

「アハハ、褒められてるよね?」

「多分」



どれだけ私が塩対応しても北山さんはニコニコしてる。



…変な人。



「いまお仕事帰りですか?」

「…まぁ」

「じゃあ今から寝るんですよね」

「洗濯とかしてから」

「へー」



見下してるのかな。
こんな生活してる私を。

質問の意味が色々分からなかったから
それから楽しそうに当たり障りのない質問をしてくる北山さんに
こちらも当たり障りのない程度に適当に返していた。



その会話の中で
今日北山さんは大きな商談の日で
気合いを入れるためにランニングをしてたって話を聞いた。



やっぱり住む世界が違うな。

漠然と思っていた。



家の前についた時に鍵を開けてくれて
玄関に荷物を置いてくれるまだしてくれた北山さんにお礼を言おうとしたら

「お誕生日おめでとう」

北山さんが自分が買ったものが入ったコンビニの袋の中から野菜ジュースをくれる。



「……え?」

「今から寝るならコーヒーやパンだと微妙でしょ?だからコレ」



北山さんは眩しすぎる爽やかな笑顔で

「偶然だけど誕生日お祝い出来て良かった!」

そのまま帰っていこうとする。



…優しすぎでしょ。

しかもいいひとすぎだよ。
私、ずっと感じ悪かったのに。



「あのっ!」

慌てて声をかけると北山さんが振り返った。



何か言わなきゃ。

どうしよう、と思って困ったあげく。



北山さんはこれから仕事って言ってた事を思い出して

「ありがとうございます!…お仕事頑張ってください」

お辞儀をすると
顔を上げた時に北山さんは太陽みたいに笑って

「ありがとう!頑張ってきますっ」

ガッツポーズをしてくれる。



なんか可愛いな。

笑っちゃうと

「ちょっとー、笑わないでよ」

北山さんが口を尖らせるからますます可愛い。



「商談、うまくいくといいね」

「ん、頑張ってきまーす」



手を振って部屋に入る北山さんの笑顔が
何だか太陽みたいで。

1人の部屋に戻っても
ずっとホッコリした気持ちでいられた。



お花を花瓶にうつして
洗濯物を干して
北山さんからの野菜ジュースを手にした。



…飲むのもったいないな。

そっと冷蔵庫にしまった。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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