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シロツメクサ Ki 5 ページ28

数ヶ月後のある日
うちの玄関の前に
大根が落ちてる。

なぜ?

ただ
ここから先は北山さんちしかないから
落としたのはおそらく北山さんの確率が高いだろう。



チャイムを鳴らすと

「はーい」

女の人の声。



あれ?と思ったけど
出てきた女の子は目がクリッとした可愛い子。

北山さんの彼女だろうか。



「…あの、大根落としてませんか?」

「え!……あーー!落としてます!ごめんなさい!!」

家の中を見てお騒ぎしてその子は大根を受け取る。

チラッと手を見ると
指輪をしてないから結婚してる訳じゃなさそう。



「え!え!!なんで分かったんですか!?」

「うちの前に落ちててうちの先は北山さんしかいないから…」

「あぁー!なるほど!!本当にごめんなさい!!」



慌てて受け取る彼女は申し訳無さそうで
きっとすごくいい子なんだろう。

リアクションが素で
ものすごく可愛い。



いいなー、
北山さんはこんなに可愛いが彼女いるんだ。

幸せだろうな。



「ありがとうございましたっ」

ニコッと笑う彼女は北山さんと同じ笑顔。



いいな、幸せそう。



そんな事があった次の日。

仕事から帰ってまず洗濯してベランダで干してると
隣から鼻歌が聞こえる。



声からして女の子。

……あ、昨日の子か。
泊まってるんだな。



気配を消して洗濯物を干してると

「Aー!お前シャツにアイロンかけてねーじゃねーか」

北山さんの声がする。



ドキッとした。
同じ名前だったから。



「知らないよ、かけ方知らないもん」

「は!?ウソだろ!?」

「形状記憶買いなよ」

「微妙に高ぇんだよ!」

「知らないよ、ママに教わってないもん」

「常識だろーが!俺でもアイロンかけられるっつの!」



わちゃわちゃしてて楽しそう。

何だかホッコリする。



そんな事があった次の日。



その日は休みだったから
仕事終わって寝る前に好きな歌をご機嫌で歌いながらベランダで洗濯物を干してると

「歌、上手っすね」

男の人の声がする。



「え!」

「あ、北山です。すいません、つい。」

北山さんの声がして。



あ、そうか。

今まで誰もこの時間洗濯してなかったから気にしてなかったし
考えてみたら昨日北山さんの彼女が洗濯してたんだったって気づく。



「ごめんなさい、こちらこそ、つい」

「フフッ、実はずーっとAさんの歌声たまに聞いてました」

「えぇっ!?」



ウソでしょ!?

北山さんの突然の告白に
ものすごく恥ずかしくなる。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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