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シロツメクサ Ki 4 ページ27

「おはようございます」

「「「おはようございます!」」」

出勤すると
お店にある英字新聞をチェックする。

これだけはうちの近所のコンビニに
置いてないから。



小夜子ママから
誰がどのお客様につくか指示があって

「わー!今日はヒロさんとだー!嬉しいっ」

一緒にお客様につくツグミちゃんから
目が笑ってない顔を向けられる。



ツグミちゃんは入ったばかりだけど
若いのに筋が良くて会話も上手。

こういう子は私が引いて
オイシイところを全部譲るとやる気を出してくれる。



お客様についた時も
若い子やお金を出してくれそうな人をツグミちゃんに任せて
私は他の人と話す。



終わる頃にはツグミちゃんはご機嫌だし
お客様も若い子と話せて満足そうだ。

「「ありがとうございました」」

お見送りをしてツグミちゃんを振り返ると

「お疲れ様でした」

ツグミちゃんも手応えを感じたらしく

「ありがとうございました!」

ものすごく嬉しそう。



後は難しいお客様のフォローに入ったり
新規のお客様に入って閉店まで過ごす。



結果、今日の1位はツグミちゃん。

「やったー!!」

「「おめでとうー」」

小夜子ママから金一封を貰ってツグミちゃんが

「今日のコレはヒロさんのおかげです!今日一緒にご飯行きませんか?」

キラキラした笑顔で言ってくるけど。



ここで踏み込むと
ツグミちゃんも本当はどんな子か分からないし
周りの子は私がツグミちゃんを贔屓してるってなるのも分かるから

「気持ちだけありがとう。ツグミちゃんが使ってるブランドの限定が今週出るからそれに使ったら?」

「え!そうなんですか?」

驚くツグミちゃんにスマホでそのページを見せると

「え!え!!ホントだ!!うわー!買わなきゃ!!」

ツグミちゃんがものすごく食いつく。



うん、コレで良かった。

「じゃあお先に失礼いたします」

「「「お疲れ様でしたー!」」」

先にお店を出てポケットを探すと
お財布を忘れた事に気づく。



お店に戻ると

「あー、ヒロさん居なければナンバーワンになれるのになー」

私の次に長いエリちゃんが呟きてる声が聞こえる。



…あー、タイミング悪いな。



わざと音を立てて

「忘れものしちゃった!」

部屋に入ると皆が慌てる。
でも何も聞こえなかったフリをして

「お疲れ様でした」

お財布を持つとお店を出る。



こんなの慣れっこだよ。
これでへこたれてたら生きていけないから。


歯を食いしばって歩き始めた。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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