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シロツメクサ Ki 1 ページ24

私の初恋は
5歳の時だった。

同じ幼稚園に通ってた
ヒロくんっていう男の子。



祖母がフランス人で
クオーターな私。
目がクリクリして茶色よりさらに薄くて
髪の色も明るい。

だからよくからかわれた。

幼稚園のあるあるだ。

「日本人じゃない」だの「仲間はずれ」だの。

私も気にしてたから
言い返せなくて黙ってたし
そうするとみんな寄ってたかって言ってくる。

だから隅っこの方で、いつも1人で過ごしていた。



そんな日々が続く中
ある日かばってくれたのが
ヒロくんだった。



「目も口も鼻も数は一緒じゃん。むしろAちゃんの目の色とか髪の毛とかめちゃくちゃかわいいじゃん」



そう言って私の頭を撫でてくれて

「Aちゃんがかわいいからみんないじめるんだよ。気にしなくていいからね」

そう言ってニコッと笑うヒロくんは
まさに私のヒーローだった。



ヒロくんとの出会いから笑うようになった私は
少しずつ友達も増えていって
いつの間にか皆と遊ぶようになっていった。

ただヒロくんはたまに私と
2人だけで遊んでくれた。

お絵描きとかブランコとかお花を摘んだりとか。

その時間がたまらなく好きだった。

でもヒロくんは人気者だから
ずっと周りにお友達がたくさんいて
ヒロくんと他の女の子が遊んでると
胸がチクチクして嫌な気持ちになった。



初恋だ。

気づいたのはだいぶ経ってからだけど。



ある日
ヒロくんが遠くに引っ越すことになる。

帰りの会であと1週間でいなくなると突然言われて。



寂しくて悲しくて
その日から熱を出して寝込んだ。

熱が下がったのは
ヒロくんがいなくなった日だった。



幼稚園なんか行きたくなかったけど
母親に手を引かれて仕方なく行くと
幼稚園の入口にいなくなったはずのヒロくんがいた。



「Aちゃんにバイバイいいたくて」

ニコッて笑うヒロくんは
幼稚園のカバンにいつもつけていたサッカーボールのキーホルダーを外して

「これ!あげる!」

私の手に乗せてくれた。



私も慌ててカバンについていた
一番お気に入りのペンギンのキーホルダーを外して

「私も!これ!」

ヒロくんに渡した。



渡すと「ありがとう!」ってニコッて笑うヒロくんに胸がいっぱいになって。



「ヒロくん、大好きだよ」

「俺も、Aちゃんが大好き!」



人生初の告白。

そしてその直後の失恋。



淡い淡い初恋の思い出。

ヒロくんは私の王子様だった。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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