すぐ近くにいる another story 6

妹。F -side you- 48 ページ20

たい兄との再会の後
私とたい兄の休みが合ったタイミングで
実家に帰る。

たい兄に呼んでもらって
みつ兄にも来てもらう。



私とたい兄、
その向かいにママとみつ兄
向かいあう形で座った。



「……で？」

みつ兄が怖い顔をしてるから

「………」

私は何も言えないし

「………」

たい兄もみつ兄が怖いから黙っちゃうし

「…ズズッ」

ママはマイペースに紅茶を飲む。



そもそもこんなに拗れた原因は私にあるから

「あの、ね」

私から切り出すと

「あ？」

みつ兄が私を睨む。



……うぅっ、怖い。



「あの…」

「Aを、僕にください」



たい兄が言う。

そしてたい兄がママとみつ兄に頭を下げる。



「Aの事を、一人の女性として好きになってしまいました。Aと将来結婚したいです」



結婚？

たい兄そこまで考えてるの？



…でも確かにそうだ。

私もたい兄としか結婚したくないな。



「私も、たい兄が好きです。たい兄と結婚したいです」



隣で頭を下げた。



しばらくみつ兄もママも黙ってる。



少しして

「…世間に何言われるか分かんねーぞ？」

みつ兄が言う。



「うん」「わかってる」



たい兄も私も覚悟の上だ。

ただ、血は繋がってないし
悪いことしてる訳じゃないし。

私もたい兄もお互い好き。

ただそれだけ。



血が繋がったなければ結婚出来るってことは
一応調べてはいた。



そもそも私に友達はそんなにいないし
唯ちゃんと永瀬くんは理解してくれてるし
2人が理解してくれればいいもん。



ただ、とにかくまずママとみつ兄には
許してもらわないと。



頭を下げたままでいたら

「そろそろいいんじゃない？ホントはみつも分かってたでしょ？」

ママが言う。



「でもかーちゃん…」

「みつだってホントは反対してないくせに。北山姓継いだときしばらくAにすれば良かったかなーってずっと言ってたじゃない」

「ちょっ！かーちゃんっ！」



紅茶を飲むママに
みつ兄は内緒にしてたことをバラされて焦ってるみたい。



「…って事だから、顔を上げなさい」

ママが言うから顔を上げるとママはニッコリ笑って

「みつは知らないけどママはたいとA応援してるからね」

言ってくれるから嬉しくて。



「ちょっと。俺別に反対してねーけど」

言葉の割にみつ兄はムスッとしてる。



「そーよね、寂しいだけよね」

ママが言うと
みつ兄はバツが悪そうに私たちを見て

「…ちげーし」

少し不貞腐れて呟いた。

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