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妹。F -side you- 46 ページ18

ひとまず
たい兄のおうちに行くことに。

途中で泊まる予定だったホテルにも寄って
キャンセル料を払って荷物も持つ。



「荷物これだけ?」

小さいスポーツバッグだけな私をたい兄が見る。

「うん」

誰に会うわけでもないから
荷物は必要最低限だった。



「前は1泊で出掛けるのも大荷物だったのに」

「それは…」



たい兄と出かける時は可愛くしていたかったから。

たい兄を探すのも最初は可愛くしてたのに
いつの間にか会える事なんて忘れて
格好がどんどん機能的になっていったから
今日はニットとパンツとアウターだけで
下着を変えるだけにしていた。



「とにかく、おうち行こう?」

黙っちゃう私にたい兄は
前みたいに優しく手を取って歩き出す。



たい兄のおうちは前のおうちの広さからしたら半分くらいしかなくて
まさにひとり暮らしって感じのおうちだった。



ところで。

「…ねぇたい兄」

「ん?」

「何で私が好きって言っても普通なの?」

みつ兄が私が探してるって言ってたとしても
私の気持ち伝えるなんて知らないはずなのに。



「A、教えてくれてたじゃん。今日伝えに来るって」



そう言ってたい兄が取り出したのは
前に使っていたたい兄の携帯。

「あれ?」

携帯変えてるってママが教えてくれてたし
全然繋がらないから
もう解約したんだと思ってた。

「今の連絡先はこっちなんだけどね」

スマホを取り出してたい兄は微笑む。



「この前久しぶりに電源入れてみたらいっぱいメールが来ててね」



言われてハッとする。

そうだった。

たい兄が見てないならと思って
途中から独り言みたいなメール
ものすごく送ってる。



「え!やだ!恥ずかしいっ!!」

慌ててたい兄から携帯を取り上げようとしたけど

「何で?ものすごく嬉しかったよ?」

たい兄は私の手の届かないところまで体を伸ばして
笑ってくれてる。



「Aが『たい兄が気持ちを伝えてくれたように私も気持ちを伝えたいから待ってて』って送ってくれたから、ずっと待ってたよ」

たい兄から優しい顔で言われるけど。



無理無理!

最近はポエムみたいなメール送ってる!!!



「見ないで!!」

たい兄から携帯を取り上げようとするけど

「もう全部見ちゃったよ?」

携帯を高いところに置いてたい兄は私を抱き締める。



「…Aの気持ちをたくさん知れて嬉しかったよ」



たい兄から耳元で囁くように言われたら
キュンキュンして何も言えなくなっちゃった。

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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時

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