妹。F -side you- 41 ページ13
女子寮の玄関に向かうと
入口に永瀬君が居る。
「あれ?Aちゃん?」
「永瀬くん!!」
慌ててる私にびっくりして
「唯なら食パン買いに行ったで?共有スペースで3人で食べようって連絡もらったから来てんけど」
近づいてきてくれる。
走って息が上がってるし
混乱してうまく話せなくて
「たい兄が…、たい兄がね……」
涙も溢れてくる。
「え、何?お兄さんに何かあったん?」
永瀬くんが慌ててるけど
うまく言葉に出来なくて。
たい兄と同じ気持ちだったとか。
嬉しくて。
でももう最後みたいな書き方してる。
混乱して
涙が止まらない私に永瀬くんがオロオロする。
そりゃそうだろう。
息を整えながら何をすべきか考えて
「大阪、行きたい。今すぐっ」
息が整った時に出てきた結論は
まずたい兄に会いたい。
今から行けば全然余裕で大阪に行ける。
明日も仕事だからすぐに帰らないとだけど。
突拍子もない私の発言に
「Aちゃん、ひとまず落ち着こ。どないしたん?」
永瀬くんが困ってるところに唯ちゃんが帰ってくる。
「え!Aちゃん!どうしたの!?」
「唯ちゃん……」
唯ちゃんの顔を見たら何だかホッとして
また涙が止まらなくなる。
2人に見守られて涙が落ち着いてから
ポツポツ話始めた。
家族のこと。
たい兄とのこと。
そして手紙を見つけたこと。
「……そうだったんだー」
唯ちゃんがびっくりしてて
「やっぱりそうだったんやね」
永瀬くんが笑ってる。
「やっぱり?」
「うん。一度だけAちゃんのこと送って帰った日あるやん?そん時、Aちゃんのお兄さんめっちゃ怖い顔してたで」
「え?そうなの?」
「ホンマ、めっちゃ怖かった。でもこの手紙見て納得いったわ」
クスクス笑う永瀬くん。
…全然気づかなかったけど。
むしろたい兄が普通すぎたし
全く心配してないから悲しかった事しか覚えてない。
「とりあえず、大阪行ってくる」
「え?今から」
「うん。今から行って帰ってきても明日の仕事に間に合うし」
トースターを唯ちゃんたちに託して
たい兄が帰る時間に間に合うように大阪に向かう。
途中たい兄に『今から大阪行きます』ってメールしたり電話を掛けたけど返事は無くて。
たい兄の部屋に行くと表札が変わっていた。
………え?
たい兄引越した?
慌ててママに電話すると
「太輔なら一昨年引越してるよ」
何を今更?ってテンションでママは言った。
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shizu(プロフ) - りーちゃんさん» コメントありがとうございます!気づいてなくてごめんなさい。最近更新頑張ってますのでまた読みに来てください。 (2021年2月6日 12時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
りーちゃん(プロフ) - shizuさんのお話、ほんとどれも大好きです。また更新楽しみにしてます♪ (2021年2月3日 22時) (レス) id: 08f03cdb41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2021年1月28日 12時