この想いの結末は 9

after そしてそれから 2 ページ25

1ヶ月以上の同居初日。

「お世話になります」

Aは静岡のイチゴをお土産に買って
うちにきてくれた。



何その挨拶。



「やり直し」

「ええっ？」

「この前言ったよね？ここはAの家でもあるよ、って」

「…えぇーー…」



困った顔のAは1度リビングを出て

「………ただいま」

真っ赤になって言う。



「前は普通に言えてたのに」

笑いそうになるのを堪えて聞くと

「その時とは違うのっ！」

「ハハハ、じゃあ徐々に慣れてってね」

照れまくってるのが可愛いくていよいよ笑っちゃう。



その日の夜。

リビングでAが買ってきてくれたイチゴを食べながら

「ルール決めない？」

尋ねるとAは目をパチクリさせる。



「ルール？」

「うん。2人で一緒に暮らしていくためのルール」

「えっ、太輔決めていいよ。私お世話になる身だし」



Aが遠慮するみたいな発言。

まぁAならこう言うだろうなって思ってたけど。



「俺が決めていいならまずAはスケスケのセクシーな部屋着で過ごすってルールにするけど」

「…ごめんなさい、ちゃんと意見言います」

「はい、そうして下さい」



2人で暮らすんだからね。
もうお客様じゃないんだから。



掃除や洗濯のタイミングや
夕飯はCMでやってたスケジュールアプリを入れてお互い夕飯をどうするか判断して
朝ごはんは出来るだけ2人で食べるって決める。



「とにかく無理をしないこと」

「はいっ」

「特に掃除と洗濯はしんどいなら明日にすればいいから疲れたら休む。俺ももうAに気を遣わないからね」

「もちろんっ」



Aは頷いてるけど。

Aの性格上
最初は特に無理する気がするから気をつけないと。



「他に何か希望ある？」

俺が聞くと

「どんなに言い合いしてもケンカしても、一緒のベッドで寝るとかは？」

Aが答える。



少し意外。



「店長が夫婦生活の長続きのコツで教えてくれたの。くっついて寝なくてもこれだけで違うから、って」

「へー、夫婦生活…」

「……あっ」



無意識で夫婦って言っちゃったのが相当恥ずかしかったのか
Aが俺に背を向けて逃げようとしてるから逃がさないように抱きしめる。



「俺はね、行ってきますとおかえりなさいの時はハグとキスかな」

「えぇーっ！恥ずかしいよ！」

「いいじゃん、憧れてるんだもん」



俺も甘い提案をしたらAも嬉しそうで。



これからの2人の生活が
いよいよ楽しみになってきた。

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