サイボーグな彼女 12

好きすぎるから 12 ki ページ10

今日のAはわかりやすい。

ダメって言いながら
顔は嬉しそうだし
キスの舌の絡め方と漏れる声や吐息が始まりの合図と同じじゃん。



だからまたキスをしながらA服のボタンを外す。



「や、ちょっと、宏光？」

「んー？」

「私泊まるなんて」

「言ってねーな」

「だったら」

「言ってねーけど顔に書いてあるし」

「えっ」



そう言って唇を重ねてボタンを開けて出来た服の隙間から胸の先に触れてみると

「やっ」

「ほら、ここも答え出てんじゃん」

先が硬くなってるからもうそういうことで。



「下の方にも聞く？」

「やぁっ」

弱々しく首を振るAが顔を背けるから
包み込むように抱いて唇を重ねる。



「あーもう無理」

「なにが？」

唇を離すとAが返す声も甘くなってきてる。



「Aが素直で可愛い」

抱き締めていた片手を解いて
また服の隙間から胸を触ると

「可愛く、ないよ」

感じてる声を我慢しながらAが言う。



「んー？」

「ホントは泊まりたいけど、迷惑かけちゃうかもってことを理由にして帰ろうとしてる」

そう言ってAは俺の首に腕を回した。



なにこれ、結局言ってんじゃん。
嬉しくて笑っちゃう。



「言ってくれてるじゃん。めっちゃ嬉しい」

頭を撫でるとAがさらに抱きついてくる。



こんなA珍しい。



嬉しい、が効いたのかな。

「…じゃあ今だけ、ホントのこと言う」

なんてAが言い出す。




「ん、言ってみ？」

「宏光と朝まで一緒にいたい」

「それから？」

「準備してくれてたの、ホントはすごく嬉しい」

「ん」

「私だけって言葉、忘れない」

「ん」

「私にも、宏光だけ」

「…やったね」

嬉しくて笑っちゃうとAが顔をあげて




「泊まりたい」



やっと言ってくれる。




「もう帰さねーよ」



呟くように言うと唇を重ねた。





それからは
Aがいつもと違って自分の部屋にいるのが嬉しくて夢中になってAを求めた。

シャワーを浴びたAの香りが俺と同じ香りなのも嬉しくて終わったのにまた求めちゃう。



「なんか落ち着く」



寝る直前にベッドの中でAが言う。

「そーか？」

「うん。そこら中から宏光の香りがしてすごく落ち着く」

言ってから俺の胸にくっついて深呼吸するからくすぐったい。
笑っちゃうと

「その宏光の笑い声も、大好き…」

その言葉を最後に寝息を立てる。



俺も大好きだよ。

Aの寝息に自分の寝息も重なった。

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