サイボーグな彼女 12

ふたりの夢 2 ページ46

「またですね」

今度は酒井さんとエゴサーチしてる時。
そのアイドルと飲んでるって文字で載っていた。



「大丈夫なんですか？」

「そう本人は言ってますけど」

「うーーーーん」



酒井さんが心配して聞いてくるけど。
宏光は大丈夫って言い張るし。



「頻度上がってますよね」

「一昨日小林さんも目撃情報見たって言ってきて確認されました」

「…そうなんですね」



そう、一昨日は小林さんがエゴサーチの日で
私に聞いてきた。



みんなが戻ってくる前のマネージャーだけのミーティングで

「さすがに多くねーか？」

武田さんが私を睨む。



「北山さんは『違う』って言ってます」

「どういう意味で？」

「恋愛ではないし『俺は好きな訳じゃない』って言ってます」

「…………ふーーん」



答える私に武田さんはすごく嫌な顔。



「んなの向こうは分かんねーよな」



私を見て言うけど
そんなこと私に言われても困る。

けど武田さんが欲しいのはそんな言葉じゃないだろう。



「…気をつけるように言います」

「ん」



ピリピリした雰囲気。

それはそうだろう。
北山さんだけじゃなくてキスマイと事務所のイメージダウンになるんだから。



なんだか微妙な雰囲気でミーティングが終わると

「…大丈夫ですか？」

酒井さんが聞いてくる。



「何がですか？」

「Aさんはもう北山さんに言ったことあるんですよね？今度は俺から言いましょうか？」



最近玉森さんの映画の仕事の時は私が玉森さんについて酒井さんが宏光につくから
酒井さんと宏光が一緒に行動することが増えてる。

だから言ってくれてるんだろうけど。



「タイミングがあればお願いします」



宏光は酒井さんと動く時はだいたい寝てるらしいし。
酒井さんには飲んだ後の迎えを頼む事もないからあまり話す機会はないはずだし
私も言って酒井さんも言うとさすがに嫌がりそう。



「わかりました」

「お願いします」



そんな会話を交わした後で7人のとこに戻る。



「あー！疲れたー！！」

「待ってたよー！帰ろー！」



無邪気な二階堂さんと千賀さん。



そしてその向こうにゲームをしてる玉森さんと宮田さんと
本を読んでる目線をあげて帰る支度をする藤ヶ谷さん。

横尾さんと話してた宏光が顔を上げる。



何だか不機嫌そう。



この後
言いにくいな。



でも言わなきゃだよね。



「……」

目線だけで帰る雰囲気を出されたから続いて歩く。





…嫌だけど言わないと。

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