好きすぎるから 22-24 ki ページ33
「おやすみなさーい」
スタッフさんと解散したのは23時。
スマホを見ると
Aから明後日の調整が送られてたのが2時間前。
ちょうど1次会が解散になった頃だよな。
あれ?
A、結局炭谷さんと会ってねーの?
部屋に戻る前にと思って喫煙所に行くと
炭谷さんが居る。
炭谷さんも俺に気付いて顔を上げた。
「……あ」
顔を見ると目が腫れてて赤い。
これ完全に泣いたよな。
でも炭谷さんは
「今まで飲んでたんですか?」
普通に話し掛けてきた。
「えぇ、いま解散したとこで」
「そうですか」
そう言葉を交わしてから少し沈黙。
そしてタバコを消して炭谷さんは笑う。
「何でこのタイミングで来るかなー」
「へ?」
「いま一番会いたくなかったなぁ、北山さんに」
「えっ」
「今日の残りの時間くらい恨ませてもらいたかったよ」
そう言う炭谷さんの目は涙目で。
この話っぷり。
Aと話したってことだな。
「俺に気を遣ってAが1人になる時間を俺に分かりやすく作ってさ。Aが北山さんのことベタ惚れなのも分かるよ」
「………」
辛そうに話す炭谷さんに何も言えない。
「あ、でも彼氏優しい?って聞いたら詰まってたなー」
「は!?」
「あはは、そこだけは勝てたかな」
炭谷さんは声をあげて笑って喫煙所の出口に向かう。
「ありがとう」
炭谷さんが頭を下げてくる。
このありがとうは何に対してだ?
話す時間を作ったことか?
それ以外か?
でも聞くのも野暮な気がして
「幸せにしたいと思ってます」
これだけはちゃんと伝える。
Aには『幸せにできるかなんて分かんない』って言ったけど
俺を選んでくれたことを後悔させたくない。
幸せにしたい、って改めて思った。
そんな俺に
「ん、頼むね」
炭谷さんは笑ってから
「でもAは『幸せには自分でなりますから』とか言いそう」
って肩をすくめる。
「そうかもしれないですね」
俺も笑うと
「……じゃあまた明日」
炭谷さんも笑って喫煙所を出ていく。
1人になった途端
Aはどうしてるかなって思った。
いつもならロケで泊まりの時もツアーの時も
部屋には行かなかった。
でも今日くらい行ってもいいかな。
顔だけ見に行ってもいいかな。
ダメかな。
考えながらタバコを吸ってると
私用スマホが震える。
Aちゃんとお部屋に戻ってますか?
ん、理由出来たな。
タバコを消した。
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shizu(プロフ) - ぴのさん» コメントありがとうございます!最近なかなか忙しくて更新遅くてごめんなさい。また読みに来て下さい。 (2020年2月14日 8時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 更新ありがとうございます。待ちわびてました。お忙しいでしょうが、また続きお願いいたしますm(__)m テンション マックスです (2020年2月11日 7時) (レス) id: c093b1f16a (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - ひろぴーさん» コメントありがとうございます!北山さん推しなので美化しちゃいます 笑 たまに更新頻度落ちますがまた是非読みに来て下さい! (2019年11月20日 6時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
ひろぴー(プロフ) - 朝更新されてて、12になっててめちゃくちゃテンション上がり、今日一日楽しく働けました笑。中々素直に言えなくて我慢しちゃう主人公ちゃん、めちゃくちゃ気持ちが分かって一緒に苦しくなってます…だけど北山さんが、素敵な男性すぎてキュンキュン止まりません! (2019年11月18日 20時) (レス) id: 9608494618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2019年11月18日 4時