サイボーグな彼女 12

好きすぎるから 22 ページ30

無事ロケも終わり
スタッフさんとみんなでホテルの中の中華料理屋さんでご飯を食べる。

だいぶ話も盛り上がって
皆さんだいぶほろ酔い。



そろそろお開き、ってタイミングで

「この後バーでもう少し飲みませんか？」

映画のスタッフさんから言われる。



この流れだと
きっと宏光は飲みに行くだろうな。

そうなると私もついていかないと。



でも私は本音を言えば
明日の準備と経費整理とさっき来てた明後日のリスケ確認と
武田さんへのマネージャー報告をしておきたいんですが。



そんな私の空気を察してか

「Aは戻っててもいいぞ、ホテルん中だし」

宏光が言う。



「え、でも…」

「あー、大丈夫ですよAさん。俺たちも居ますんで。天下のジャニーズさん相手に悪いようにはしませんから」

さすがに1人は、と思ったけど
映画のスタッフさんたちも言ってくれる。



確かに皆さんものすごく真面目だから
何か変なことにはならないと思いますけど。



「あははは、それ俺がジャニーズじゃなかったらどこか連れてってくれたんスか？」

「いやいや、僕らも実は詳しくなくて」

「またまたー」



談笑してる宏光は私に

「明後日以降のスケジュール変更になってるんだろ？その調整頼む。戻ったら連絡入れるし」

スマホを取り出してチラつかせてくる。



そこまで言われたら

「承知しました。ではそうさせていただきます」

お言葉に甘えよう。



しかも今日のメンバーで女性は私だけだし
男同志の話もあるだろうから。

…あまり考えたくないけど。



「では、失礼致します」

「「「お疲れ様でーす」」」



正直ホッとする。

キスマイの皆さんやマネージャー陣はもう大丈夫だけど
やっぱり男の人沢山いる空気は苦手だな、って改めて思う。




ため息をついてエレベーターに向かうと

「A」

涼さんから声を掛けられる。



「はい」

「ちょっと時間くれない？」



何だろう？
しかも呼び捨てで。



「打ち合わせですか？」

「ううん普通に話させて。30分もしないで終わるから」



そう言われて少し困る。

さっきの宏光とのやり取り聞いてましたよね？



多分いま思ったことが顔に出てたんだろう。
涼さんは

「じゃあ30分後に30分だけ時間ちょうだい」

なんて勝手に決めてくるから

「…終わったら連絡でもいいですか？」

30分かかるかなんて分からないし。



「うん、ありがとう 」

すごく嬉しそうに涼さんが笑って。




一体なんなんだろう？

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