サイボーグな彼女 8

そうじゃなくて 14 ki ページ8

次の休憩に入る。
長めの休憩だから1度戻ってメシを食うことに。

控え室に戻ろうとすると小林ちゃんと酒井ちゃんしかいない。



「Aちゃんは？先に戻ってる？」

タマが言う。



「あ、タバコなら預かってます。Aさんは…」

小林ちゃんが言いかけたタイミングでAが戻ってくる。

「戻りましたっ」

慌てて俺たちの前に来る。



「どーした？」

俺が聞くと

「…実はさっき楽屋に泥棒が入って」

「「「は！？」」」

息を切らしながら言うAに声をあげる俺たち。



「未遂ですけど、取られかけた北山さんの上着だけいま押収されたままです。ごめんなさい」

「や、それはいいけど大丈夫なん？」

「何がですか？」

「未遂ってことは犯人は？」

「捕まってて警察来てます。後でもしかしたら聴取で呼ばれるかもです」

淡々と答えるA。



「またAちゃんが捕まえたの？」

千賀が聞くと

「いえ、大声出しただけで捕まえてくれたのは周りの方たちです」

「さすがに一本背負いしてないんだ」

「してません」

答えるAに皆が笑う。



「戻りますか」

酒井ちゃんが言うと

「あ、俺タバコ」

タマが言うと小林ちゃんがタマにタバコを渡す。



俺も行くかな。

「A、俺も行く」

「はい」

カバンからタバコを取り出すためにリュックを下ろそうとして一瞬ピクッてなった気がしたけど。

…気のせいか？



「行ってらっしゃいませ」

「ん」

「僕ついていきます」

小林ちゃんが言って俺とタマについていてくれる。




喫煙所は他のスタジオも休憩だったり収録前なのか少し混んでてザワザワしてる。



「相変わらずAちゃんすごいタイミングで居るねー」

「何はともあれ良かったですね」

タマと小林ちゃんが話してる。



と、すぐ近くでタバコを吸ってた人達が

「つーかさっきの女の子凄かったなー」

「楽屋泥棒、あの子居なきゃ捕まえらんなかったよなー」

なんて話してる。



「…あの。捕まえた時に居たんですか？」

俺が思わず話し掛けると

「居ましたよ。女の子が犯人の腕をひねって背中から壁に叩きつけてるとこ見ました」

って教えてくれてタマと小林ちゃんがタバコを盛大にむせる。



特徴を聞くとまさにAで。

「やるなーAちゃん。からかってこよ」

タマが出て行って小林ちゃんがそれに続く。



「…女の子と知り合いですか？」

その人が聞いてくる。

「えぇ」

そう答えると教えてくれた内容に愕然とする。

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