サイボーグな彼女 8

わからない？ 7 ki ページ50

今日は珍しい。


寝るタイミングで布団を引こうとするAを止めたら無抵抗だった。

少し揉める想定をしてたから驚く。



「…珍しいな」

「そうですか？」

言いながら近寄ってくれるA。
貴重過ぎだろ。

まぁ仕事して何時間もアンケート答えてたらこーもなんのかな。

「さすがに疲れて抵抗する気力もねーか」

気が変わられる前に抱き締めてAを腕の中に閉じ込める。



あー、気持ち良い。



そう思ったのが最後の記憶。



ふと目が覚めるとまだ真っ暗。

これが遮光カーテンの力か。



腕を伸ばしてスマホを取ると11時。

スマホの明かりを頼りにAを見ると俺の背中に腕を回して寝息を立ててる。



毎回思うけどこれ苦しくねーの？



とりあえずまだ時間あるし。
スマホを置いてAを抱き締める。



んー、抱き心地最高。

髪を撫でたり背中を抱き締めてるとAの社用スマホから着信音。



起こすべき？

起こさないべき？



そう思ったのもつかの間、俺の腕をするりと抜けてAが起き上がる。


仕事スイッチはすげーな。
めざましでは起きねー時あるけど着信音は起きるんだ。



社用スマホを掴むとそっと部屋を出てる。

ドアがパタンと閉じた後「はい、Aです」って声がする。



多分そのままリビング行ってるな。



帰ってくるかなー。
来ないかなー。



手探りでババさんを掴むとババさんを抱き締める。

…あー、Aの香りがする。



気持ち良くてそのままババさんを抱いてると
そっとドアが開く音。

あ、戻ってきた。



「…はよ」

「ごめんなさい、起こしちゃいましたよね」

「へーき」

Aの寝る場所を確認出来るようにベッドサイドの電気をつけると
Aの顔に今じゃなくてだいぶ前に泣いたであろう跡がついてる。



「……どした？」

カピカピになってる頬の跡を触ると驚いてるA。



「あれ？何ですかね。悪い夢でも見たかも」

そう言って目と頬を擦る。


あーー！
目を隠されたらホントかどーかわかんねーじゃねーか！！

これ作戦か？天然か？



どっちにしても泣いた後なら

「ほら、少し寝よーぜ」

抱っこしてやるからおいで？
そんな意味を込めて腕を広げたら

「…おかしいですから」

いつものように拒否るA。
ある意味通常運転だけど。



あーもうこのやり取り面倒！

無言でAを引っ張ると胸の中に入れてそのまま抱き締める。



Aがそのまま無抵抗だったからそのまま眠りについた。

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