サイボーグな彼女 8

わからない？ 6 ki ページ48

アイスを食いながら
さり気なくクリスマスの日に過ごす約束をする。



完全に『なんでうちで過ごすんでいいんですか？』的な態度。

相変わらず心折れそうになる。

でもダメとは言わない。



空いてる日があったら元カレと予定入れられちゃうかもしんない。
Aは何とも思ってなくても
元カレはものすごくAを誘ってる可能性が高い事はさっきの電話で分かる。

譲りたくない。

その気持ちが大き過ぎてとにかくAに自由な時間を作りたくなかった。
特にクリスマスなんて。



Aが嫌がってるから助けるんだ、なんて正当化しながらただただ俺が一緒に居たい。



本来なら俺とより元カレの方がAとは幸せになれる。
偶然再会するとかホント運命みたいだし。



でも嫌だった。
本当に嫌だった。

タマや藤ヶ谷と仲良くされた時と比べ物になんねーくらい嫌だった。



だからもう少し意識して？

俺がAの隣に居てもいいって思ってよ。



なりふりなんか構ってらんなかった。



甘えてアイス食わせてもらったり
間接キスだよ、って意識させたり

必死だった。




「チェックお願いします」

最後の質問を入力し終えたAが俺にタブレットを渡す。

「ん、おっけー」

内容を確認して言うと

「これで終わりです」

「っしゃーー！！終わったーー！！！」

Aの言葉に思わずテーブルに突っ伏す。




終わった筈なのにキーボードを叩いてるA。

「…終わったんじゃねーの？」

テーブルに突っ伏したまま見上げると

「メール打って送ってしまとおうと思って」

って言う。



メールを打ちながら

「北山さん、先に寝てますか？」

Aが打つ手を止めずに聞いてくる。



それって「先に寝てて下さい」じゃないから「待っててくれますか？」って意味だと思っていい？
それとも深い意味はねーの？



その辺についてはわかんねーけど嬉しかったから

「ん、待つ」

そう言って肘をついて頬杖をついたままメールを打つAの顔を眺める。



「分かりました」

そう言うとパタパタと文字を打つ。



しばらくしてからキーボードを閉じてタブレットをタップしてるから多分終わったんだろう。

そして俺が見てたことに気づくと

「…なんですか？」

すこし恥ずかしそうに聞くA。



「真剣にパソコン向かってるのがカッコ良かったから見とれてた」

素直に言ったんだけど

「相変わらず軽いですね」

Aはまともに聞いてくんなかった。



ちぇっ。

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