サイボーグな彼女 8

わからない？ 6 ページ47

「少し休憩しよ」

北山さんが私の頭をポンってすると
アイスとスプーンを取りに行く。



時計を見ると4時をだいぶ過ぎている。



「終わるの明け方ですかね」

「そーだな。昼過ぎまで寝よーぜ」

冷蔵庫の前からあくびしながら北山さんか言う。



「そういえば遮光カーテン買ってみたんです。24時間のラジオもあるし」

試しに昼間閉めたら本当に真っ暗になった。
不規則になる時は便利だなと思ったけど
まさかこんなに早く使う時が来るなんて。

「へー！ならクリスマスもAんち来るかな」

アイスを私の前と自分の前に置きながら言う北山さん。



クリスマスにうちに？

いいんですか？



思わず見上げると北山さんと目が合う。



「…なんだよ？」

びっくりしてる私を
不満そうに北山さんが見下ろしてるけど。



「いいんですか？クリスマスにうちにいて」

クリスマスですよ？
片思いの女の子は？

「いいに決まってんじゃん。うちそんなカーテンねーし。寝かせてよ」

口を尖らせて言う北山さんは私の隣に座るとアイスを開ける。そして

「いっただっきまーす」

美味しそうにアイスを食べだす。



「んまーっ！ほら、Aも食えよ」

「…いただきます」

食べてみるとものすごく美味しい。



「美味いの？」

北山さんが私を見て言う。

私のはいちごで北山さんはバニラ。
美味しいからコクコク頷くと口を開ける北山さん。



「…あーん」

…ひと口ってこと？
アイスを差し出すけど北山さんは首を振ってさらに前のめりになってる。

仕方ないからスプーンですくって口元に差し出すと北山さんはパクッと口に含んで

「あ、ウマッ」

言ってニコッと笑ってる。



「ほい、こっちも食ってみ？」

北山さんがひと口すくって私に差し出す。
…これ北山さんが使ってたスプーンですよね？

「ほれほれ、美味いよ？」

ニコニコ差し出されるからそのまま食べると確かにものすごく美味しい。



「これ美味いなー。また買ってこよ」

そう言って北山さんは私にひと口食べさせたスプーンをそのまま使ってアイスを食べだす。




やっぱり北山さんは軽い。
同じスプーン使うことだって多分何とも思ってないよね。

そう思ったら1人で緊張してたのが恥ずかしくなってきて私もそのまま食べはじめる。



すると

「ふふふっ」

北山さんが突然笑う。



「どうしました？」

「んー？Aと間接キスだなと思って」

そう言ってはにかんで笑ってる北山さん。




…やっぱり軽いなー。

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