サイボーグな彼女 8

わからない？ 2 ページ39

嘘みたいな再会があった仕事の後。

帰りの車で北山さんに色々つっこまれるかなと思ったけど
打ち合わせ疲れか北山さんは車に乗るなり爆睡。

助かった。



今日は飲みに行くって言ってたからスマホのスケジュールを見て飲みの場所まで送る。



「北山さん着きましたよ」

「んあー」

目を擦りながら起きるとミラー越しに私を見る。

「今日お迎え頼める？」

「はい」

私はこれから事務所でアンケートまとめたりするのでしばらく問題ない。



「多分夜中まではいかないはずだから」

「はい」

「わりぃ、さんきゅ」



北山さんが降りると私は事務所に向かう。

私用スマホを見ると着信が来てた。



『炭谷 涼』



…出なきゃダメですか？



仕方なく通話をタップして電話をかける。



『はい』

「…もしもし」

『ああ、やっぱり番号変わってないな』

ホッとした声の炭谷さん。



「電話なら先程の番号にお願い致します」

『プライベートの時間でも？もう仕事終わってるでしょ？』

「いえ」

『あ、そうなの？ごめんね？』

相変わらず声が優しい。



『じゃあ手短にするね。さっきのアンケートをメールでデータでも送ったから』

「ありがとうございます」

『万が一ないやつあったら連絡して』

「はい」

『回答もメールで構わないから』

「承知しました」



私はタブレットを立ち上げながら答える。

確かにメールが来ていた。



『じゃあまた』

「はい、失礼します」



電話を切ってメールを見ると資料が1つ足りない。
すぐ社用スマホから電話をかけた。



『はい』

「いまお電話大丈夫ですか？」

『こっちの携帯なのが不満なくらいで時間は大丈夫』

余計な一言を添えて炭谷さんが言う。



「資料1つ足りないです」

『あぁやっぱり？そうかもと思って送ったよ』

「……」

私に電話させるためですね。



『あれから好きな人出来た？』

「仕事とは関係ないですけど」

『うん、まぁね。単純に気になって』

「…用件は以上なので失礼します」

『できてないんだね』

「不明点あったらご連絡致します」

カマかけられてるな、と思ったからそのまま放っておく。



『今度ご飯でもいかない？ゼミの集まりにも全然来ないし近況聞きたいんだけど』

「……忙しいので」

『まぁそうか。まさかアイドルのマネージャーとはね。確かに合ってるけど』



…何を基準になのかな。
マンちゃんも言うけどそんなに私に合ってます？



挨拶して電話を切るとため息をついた。

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