サイボーグな彼女 8

そうじゃなくて 20 ki ページ20

話を聞くと確かにAも悪い。

なんでまた鍵かけてねーんだよ。
せめて電気つけてねーんだよ。



ん？

つか何で電気つけてねーの？



「そもそもAは暗いままで何してたわけ？」

そう言うと硬い顔になるA。

「言わねーと局行くぞ」

少し近づきながら言ってもAは答えない。



すんなり言わないってことは言いにくいことだってことで。
しかも俺絡みなんだろーな。



さっきの収録の時だろ？

思い返すとあの時は…



藤ヶ谷とAが絡んでてムカついてた時か。
確かAが藤ヶ谷に顔触られてたんだ。



「…分かった。俺だな」

「えっ？」

「俺がずっと怒ってばっかだったから戻りにくくなってた？」

そう言うと無言で首を振るけど何も言わないA。



…はいっ、ビンゴ。



「ん。もう局行かねーから」

わかりやすくて笑っちゃう。
もーなんなの？Aは。



まだ不安そうに俺を見てるから
もう怒ってねーよ。
そんな意味を込めて頭をポンってする。

「片付け俺がやるから座ってろ」

そう言っても来ようとするから

「怪我人は座ってなさーい」

俺が止めるとAはリビングには行かずテーブルのとこの椅子に座る。



「向こうで待ってろよ」

見られてたらやりにくいっつの。

「いいじゃないですか、ここに居ても」

そう言って俺が見える位置に座る。



「見張られてるみたいなんですけどっ」

「…分かりました」

仕方ないですね、って雰囲気で立ち上がって立ち上がるAはリビングに向かう。



Aが見えなくなって途端に寂しくなった。



「A」

「はい」

呼ばれてこっちに戻るA。

足痛そうなのに結局歩かせてる俺。
何やってんだよ。



「やっぱりそこに居て」



Aは文句言うかと思ったけど。

「…はい」

そう返事してまた座ってくれる。



「今日のバラエティ楽しかったな」

「ですね」

番組についてしばらく色々話してて思い出す。



「一昨日行ったサウナに今日一緒だった人2人も居てさー。びっくりだったんだけど」

「えっ！？」

驚いてるA。



「…何？」

「そこってもしかして…」

Aが場所を言う。

「そーだけど」

「…偶然ですか？」

「おぅ」



びっくりしてるA。


「え、まさかAも居たの？」

「はい」

「えー！言えよー」

言ってて「ん？」と思った。



…Aが言わなかった理由ってもしかして。




「…デートだと思ったのか？」

「はい」

頷くA。

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