サイボーグな彼女 8

そうじゃなくて 19 ki ページ18

風呂上がり。

Aがルームウェア着てる。
ニヤける。


ビール勧められるけど水にした。

せっかく久々に2人なのに
酔っちゃうのがもったいねーから。



焼きそばを作ってくれて
煮物とかも出てくる。

メシは最近もAんちで食ってるのに
時間に追われないってだけでごちそうに見える。




メシ食った後
片付けを手伝いに来ると台所が狭いから少し迷惑そうなA。

早く終わってのんびりしてーんだけど。

だから無理矢理手伝ったらやっぱり狭くて肘がぶつかって持ってた箸を床に落とす。



「あーゴメン」

慌てて拾おうとしてAの足元に転がった箸を手に取って少し目線を上げると
Aの足首に湿布がある。


…なんで湿布？

そう思った時にさっきの青い顔と問い詰めようとした俺を避けて楽屋に入ろうとしたこと。
全てが繋がる。



Aが何か言ってるけど全然耳に入らない。

「…A、何これ」

「どれですか？」

呑気な声のA。



「…何この湿布みたいなやつ」



俺が言うとAの動きが止まる。

…もうそれが答えじゃん。



「いつから？」

「……」


見上げるとAは必死に見つめ返してくる。

今までは明らかに動揺してたのが
藤ヶ谷のアドバイスで変えたつもりかもしんねーけど。

意味ねーからな。

Aの考えは全部お見通しだっつの。




「さっきか？楽屋泥棒ん時か？」

「………はい」

観念したのかAが答える。



ならやるべき事は一つ。

「局戻ろ。訴える」

やっぱり示談なんかにすんじゃなかった。
報告受けた時に反対すりゃ良かった。

出かけようとしてる俺に慌ててついてくるA。

「何言ってるんですか？」

「あたりめーだろ。こんなケガしてんのにっ」

Aがなんか言ってるけど頭に血が昇って何も耳に入らない。



「やめてってば！」

Aがそう言って俺の腕を掴む。



……あれ？タメ口？



「相手はテレビ局なのっ！仕事減っちゃったら困るからっ」

Aは俺を止めるのに必死で気づいてない？
びっくりしてAを見てると

「私にも落ち度あるから！行くのやめてっ！」

さらに言うA。



落ち度？

そんなことさっき言ってねーよな。



ただ結局Aはいつも俺を優先してて。
痣も作って足怪我しても
示談に応じたのは多分揉めて俺や皆の仕事減るのを防いだワケで。

Aの落ち度が何だか知らねーけど相手が俺の服盗んだ事に変わりねーから悪いのは犯人だろ。



「…じゃあ何？」

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