サイボーグな彼女 8

そうじゃなくて 18 ki ページ16

タマと帰りの車の中。



「今日楽しかったねー」

「だな」

「千ちゃんあのモデルさんとやっぱり連絡先交換してるね」

「っぽいな」



あのモデルさんのリアクション。

まさにだな。



「つーかなかなか自由に動けないねー」

タマが言う。

「え？俺もう我慢すんの辞めたけど」

俺が答えるとタマがびっくりしてこっちを見る。

「は？」

「もういいかなーって」

「えぇー、そーなの？」

「気にするの辞めただけで別に彼女とか居るわけじゃねーけどさ」

「……ふーん」

タマが意味ありげに窓の外を向く。



「つかタマ見られるとマズい人いんの？」

「どうだかねー」

俺が聞くとそう言ってニヤッて笑うタマ。



これ居るやつじゃん。



「あ！そうそうAちゃんありがとうー」

タマがAに声を掛けてる。

「何がですか？」

「プレゼント。完璧だったよーん」



…それってもしかして。
一番嬉しかったブレゼントの話か？



「それなら良かったです」

話を終えようとしてるA。



「へー何か買ったの？」

俺がつっこむとAは困った顔をしてる。



「ルームウェア買ったのー。可愛いやつ」

「へー！ルームウェア？」

「そー。Aちゃんが今まで貰った中で一番嬉しいプレゼントって言ってたから」

タマの言葉に｢あぁー、言っちゃった｣って顔をしてるA。



「へぇー。一番嬉しいプレゼンだったんだぁ」

言いながらAを見ると一生懸命動揺してないフリをしてる。



目に力を入れようとしてるところを見ると
これが藤ヶ谷に言われて気をつけてるとこなんだろーな。

…この程度ならまだ俺でも分かりそうだからなんとかなりそうだな。



しばらくルームウェアの話をしてたけど

「でもね、半袖と長袖はさすがにしなかった」

タマが言う。



……Aそれも言ったのかよ。



「え、どうしてですか？」

「さすがに狙いすぎだしクサすぎない？」

「…そうですか？」

「そうだよー絶対やる人居ないってー。いくらなんでもキザ過ぎない？」

少し嫌そうに言うタマ。



…おーいタマ、お前の隣にそれやったヤツいますよー。



タマが降りた後Aと話してて

「つーか、そーゆーことはちゃんと俺に言えっつの」

一番嬉しいプレゼントだったこととか。
タマじゃなくて俺本人に直接言えよっ。

そう言うと黙っちゃうA。



でもしばらくして

「…一番嬉しかったです。半袖と長袖のおまじないも」

そう言って優しい顔をしてくれた。

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