一心同体 14-2 ki ページ9
「俺が仕込んでるんです。裏方は気配消せって」
「は?」
山本さんは笑ってるけど。
気配消すの?
「目立つ裏方なんて裏方じゃないんだから、表にいるタレントを輝かせてなんぼだと」
「…はぁ」
「だから、あくまで空気になれって言ってるんです」
「空気??」
そーいや言ってたな、あだ名が空気だとかどーのって。
「いないと困るけど、目に見えないようにしろって仕込んでるんで」
「あー、だから空気なんですね?」
「そうそう」
ニッて笑う山本さん。
「ちなみに1箇所だけは俺も覚えてるから教えようか?どこのサポートしてたか」
俺も手伝ってたんだよー、なんて言う山本さん。
「はい。どこですか?」
「『FIRE!!!』から『Hair』の間」
「え!」
そこ!?
確かに急いでるから言われてもあまりピンと来ない。
「ね、思い出せないでしょー」
「はい」
「それが正解」
でも、ストレスになってないってことは、問題なくサポートしてもらってたってことで。
それって確かにすごいことだ。
山本さんは、そんな俺を見て満足そうな顔をしてる。
そしてタバコの火を消すと、
「アイツいなくなってから、事務所にあった木は枯れそうになるし、プリンターは用紙切れしまくるし。全部Aだったんだなーって」
ハハハ、って力なく笑う。
「面倒くさいヤツですけど、よろしくお願いします」
ペコって頭を下げて、山本さんは立ち上がる。
完全にテンションが嫁に出す父親っぽい。
なら、俺が言うことは。
「山本さん」
俺が呼ぶと、山本さんは出口直前で振り返る。
俺も立ち上がると、
「キスマイのマネージャーで良かったって思って貰えるように、俺ら頑張ります」
って言って頭を下げた。
そしたら山本さんは嬉しそうに笑って、
「やっぱり良かったよ、北山さんに預けて」
って言うと、行ってしまった。
昨日、何があったんだろう。
俺らのマネージャーなことを何か言われたんだろうな。
嫌な思いしてるとこに、夜中まで待たされて。
しかも待たされた挙句、待たせた俺が先に帰ってるとか。
知らなかったこととは言え、すげー申し訳ない。
つーか、
そもそも約束破ってるのは俺本人なわけだし。
…だああああ!!もーーーっ!!!!
俺は両頬叩いて気合いを入れ直すと、皆のところに戻った。
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咲良(プロフ) - shizuさん» は〜い!いえいえ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 字数の都合で少し変えました!ありがとうございます! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 支えるとは 1ki ほら、ここ社宅だし 車の中で喋ってるのなら「あっこ」の方がいいと思います^_^ (2019年2月17日 10時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» んふふwいえいえ!楽しいんでおかしい日本語(?)あったら教えますよ(笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 急にアクセス増えてるー、と思ったらチェックする前に上げてました。毎度チェックありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2019年2月4日 11時