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一心同体 14 ki ページ8

予定時刻。
Aが来た。

俺は気持ち早めに待ち合わせ場所にいた。


「おはようございます」

「A、昨日ごめん」

「いえ、大丈夫です。動きます」


相変わらず、淡々としてる。
なんなら少し冷たい気がする。


そりゃそーだ。
でも連絡しろって言って連絡しなかったのは俺だ。



宮田が言ってたな。
俺が寝てるから会話がないとか。

…なら。

「あのさ」

話し掛けてみる。

「はい」

「この前、置いてってくれたヨーグルト、めちゃくちゃ美味しかった」

「そうですか」



…終わった。


何だか何を話していいか分からなくなった。
何を急に意識してんだ?俺。

悩んでるうちにドームに着く。



「では、また夜に」

「……おう」



結局、何も言えなかった。

でもせめてと思って、

「運転、気をつけてな」

とだけ言って車のドアを閉めた。




走り去るAを見送ると、ため息をつく。



最終リハをして、移動までの休憩中に喫煙所にいくと見覚えのある人が。


「あれ?」

「あ、お疲れ様です」


Aの元上司さんが居た。
首から下げたスタッフ証見ると『山本』って書いてある。

「今日現地スタッフに欠員出てさー。休日出勤だよ」

「あ、そうなんですね。お疲れ様です」

結構なベテランさんだと思うんだけど。

支えられてるなー、俺らの仕事って。



「昨日の夜、アイツ何か言ってた?」

タバコに火をつけながら言う山本さん。

「…いえ、特に」

俺も火をつけた。

「まー、言わないよなー。俺にも言わなかったし」

ふーっ、と息を吐きながら言う。



…なんだ??



「あいつ、昨日迎えに行った時コーヒーまみれじゃなかった?」

「…昨日、結局別で帰って…」

「あ、そうなんだ」

…黙ってれば良かった、って顔をしてる山本さん。



「アイツ、嫌がらせされてコーヒーまみれになってて」

「え!!」

そうなの?

「でも言わねーんだわ、何があったとか誰にされたとか」

「…えーーー」


マジでか。



「俺が言うのも何だけど良い奴なんで、アイツ」

「…それは分かります」

山本さんの言葉に俺が言うと、嬉しそうに笑った。



「聞いても言わないから察するしかなくて面倒だけど、よろしくお願いします」

言いながら、頭を下げてくる山本さん。

「いやいや、俺、困らせてばかりだし。そもそもアイツとの出会いとか覚えてないレベルでなんです」

慌てて俺が言うと、

「あー、やっぱり?」

山本さんが頭を上げて言う。




え??

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咲良(プロフ) - shizuさん» は〜い!いえいえ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 字数の都合で少し変えました!ありがとうございます! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 支えるとは 1ki ほら、ここ社宅だし 車の中で喋ってるのなら「あっこ」の方がいいと思います^_^ (2019年2月17日 10時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» んふふwいえいえ!楽しいんでおかしい日本語(?)あったら教えますよ(笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 急にアクセス増えてるー、と思ったらチェックする前に上げてました。毎度チェックありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年2月4日 11時

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