サイボーグな彼女 2

支えるとは 1 ki ページ48

休み明け映画の話をされる。

主演？マジ？
…猫？？



ものすごく驚いたけど、当然引き受けて早速原作読んだり台本読み。

となるとうちに真っ直ぐ帰るわけで。



「なーなー、豚のしょうが焼き食べたいー」

Aにねだる。

「定食屋さんにありますよね」

「Aのを食いたいんだけど」

完全に、あしらわれて作ってくれなかった。



だから次の日は朝からどんぶり2つと蕎麦を持参した。

「なーなー、蕎麦食べたくない？」

「別に…」

「ほら食おーよ」

さすがに呆れられたけどAは優しいからAの家で作ってくれた。



そしたらAの家が居心地良くて台本読みして寝落ち。

「北山さん、帰りますよ」

「んーー、泊まるー」

「ダメです」

いっそ寝たいのに寝かせてくれない。
せっかくこの前スエットとパンツ置いてったのに。



「車で送りますから」

徒歩3分のこの距離で？
Aの提案に笑っちゃう。

「…ははっ、超贅沢な距離だな」




「明日の朝雑炊持って行きますから」

頑なに泊めてくれない提案。
でもせっかく食うなら

「…豚のしょうが焼き…」

Aのを食って見たいんだけど。



「分かりました、今度作ります」

「…絶対？」

「はい。舞祭組ツアーから帰って来たら」

「分かった」

それなら来週には食えるからいいや。





「やべーな、Aんち落ち着く」

帰りの車の中でAに言うけど

「そうですか？」

冷たいA。



「なんだろ、香りかなぁ」

「わからないですけど、寝ちゃうならもう作りませんよ？」

それは困る！！！

「えぇー！いいじゃん泊まっても。スエットあるし」

「2日連続同じ服とかおかしいし、どこで誰が見てるかわかりませんよ」

それはAは週刊誌や新聞を気にしてるってことか。
まぁ俺としてもよくない訳で。



でも

「マネージャーとタレントだよ？打ち合わせだってするだろ」

俺が言っても

「少なくともこの距離で異性のマネージャーの家に泊まりませんよね」

Aはごもっともな意見を言う。

「まぁそうだけど」




「ほら、でも社宅だろ？」

ならタレントも使う可能性あるだろ？

「自分のおうちの方が絶対落ち着きますよ」

言って俺の家に到着するとサイドブレーキをかけた。

ううー壁が厚い。



「雑炊お部屋で食べますか？車で食べますか？」

「…車で」

「分かりました」

走り去るA。




ちぇっ、泊まるには別の作戦考えねーと。


つか何を目標にしてんだよ俺。

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