一心同体 30 ページ43
北山さんがトイレから戻っ来た時、
今度は私がさっきの北山さんの顔を思い出すと気まずくて居心地が悪くなった。
北山さんがDVD見て笑ってるのも無理してはしゃいでるようにすら見えた。
「お昼、何か食べたいものありますか?」
私が聞いても
「んー?なんでもいいよ!」
ニコッと笑って言う北山さん。
…絶対気を遣わせてる。
「分かりました。ちょっと買い物行ってきますね」
「あーい」
私は鍵とお財布と車の鍵を持って家を出た。
北山さんのあんなに悲しそうな顔は初めてだった。
さっきまで私がどんだけ迷惑をかけても笑ってたのに。
思い返してみた。
『いいんだよ、確かにビジネスの関係ではあるけど、それ以前に人として困った時は助け合う!それでいーじゃん』
『俺たち、頼って頼られての関係で良くない?』
そう言ってくれてた北山さん。
多分これだ。
北山さんは、私が嫌な思いをしたんだったら言って欲しかったんだ。
もしも北山さんたちが絡んでて、自分たちのせいで私が嫌な思いしたなら余計に。
…でも私は本当に嫌な思いなんかしてない。
服は染みになったけど、そんなの大したことなかったんだ。
北山さんから連絡来なかったことだってムカつかなかった。
それより倒れてなくて良かったって思いの方が強かったから。
多分シャットアウトするんじゃなくてそれをちゃんと伝えて欲しかったんだ、北山さんは。
私は車にエンジンをかける。
さらに北山さんの言葉を思い出した。
『見たでしょ?あの生活力0の冷蔵庫。いざと言う時、俺も色々頼めるとものすごくありがたいんだけど』
そして何を食べても『んまーー!!』って言ってる北山さんも。
ならば私は。
まず雑貨屋さんに向かった。
だいぶ経って戻る私。
「ただいま帰りましたー」
私が声を掛けると、
「んー、おかえり」
眠そうな北山さん。
「あ、ごめんなさい。起こしちゃいました?」
「んーん、ご飯何ー?」
目を擦りながら言う北山さん。
子供みたい。
「焼肉定食です」
「え、マジ?」
一気に北山さんのテンションが上がってる。
…良かった。
「はい」
私が頷くと、
「やったーすげー楽しみ」
北山さんが笑ってくれてる。
笑顔にホッとする。
この笑顔が私のせいで曇るのは嫌だな。
何となくそう思った。
そして、北山さんが私に絶対求めてくれているものは。
私は意を決して台所に向かう。
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咲良(プロフ) - shizuさん» は〜い!いえいえ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 字数の都合で少し変えました!ありがとうございます! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 支えるとは 1ki ほら、ここ社宅だし 車の中で喋ってるのなら「あっこ」の方がいいと思います^_^ (2019年2月17日 10時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» んふふwいえいえ!楽しいんでおかしい日本語(?)あったら教えますよ(笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 急にアクセス増えてるー、と思ったらチェックする前に上げてました。毎度チェックありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shizu | 作成日時:2019年2月4日 11時