サイボーグな彼女 2

一心同体 13 ページ5

山本さんを見送って、伝票を切って
他の雑務や昔のキスマイの資料を見てたら0時をまわる。



相当盛り上がってるんだな。

熱がある間はお酒飲んでないし、明日は午後からだから少し遅くなってもいいし。



でもそうこうしてると2時をまわる。

さすがに、遅いよな。



北山さんに電話をかける。



……出ない。



どうしよう、潰れてるのかな。

降ろしたお店に向かうと、すでにお店は閉まってる。



………あれ？



もう1回北山さんに電話をかけたけど、出ない。

本当に申し訳ない、と思いながら宮田さんに電話をかける。



『…もしもし？』



完全に、寝起きの宮田さん。



「お疲れ様です、ごめんなさい。Aです」

『あーーAさん？』



起こされて寝起きなのに、冷たい言い方をしない宮田さん。
優しいなぁ。



「北山さんと連絡取れなくて…」

『えっ？キタミツ連絡してない？』



完全に起きた声の宮田さん。



『俺と一緒に帰って、先にキタミツ降ろしたからもう帰ってるはずですよ』

「…えっ？」

『23時前には帰ってますよ』

「そうなんですね」



連絡、来てないんですけど。

忘れたのかな。



『キタミツ、寂しがってたよー』

「え？」

『Aさんが何も言ってくれないって』

「……そうですか」



ここでもか。
そもそも北山さんに隠してることなんてないんだけど。

「特に言ってないこととかないと思うんですけど」

『舞祭組のツアーに行くこと知らなかったって拗ねてたよー』



北山さんの休みの予定なのに、休みだから私が元々つかない予定なのに。
言う必要あるのかな。



『それにしても、キタミツ、連絡するって言ってたんだけどなー』

あくびをする宮田さん。
私は我に返った。

「あ、ごめんなさい。夜分遅くに」

『いーよいーよ、ちゃんと連絡するのを見守らなかった俺も悪いから』

「おやすみなさい」

『おやすみーー』



電話を切ると、車を家に走らせた。



マンションの駐車場に着くと3時だった。
車を降りた時に違和感を感じる。



節々が痛い。

まさか。

確かに、風邪を引いた北山さんとずっと一緒にいたし。
ここのところ遅寝早起きだったし。



とりあえず明日は昼からだから寝よう。

重い体を引きずって家に帰った。



コーヒーまみれの服を脱ぐと、化粧も落とさずに布団に入って眠りについた。



明け方、北山さんから

『ごめん』

ってメールが来ていて
無意識で返信してなんて返したか覚えてはいなかった。

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