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一心同体 26 ki ページ36

「見たでしょ?あの生活力0の冷蔵庫。いざと言う時、俺も色々頼めるとものすごくありがたいんだけど」



俺のダメダメっぷりから面倒見てもらいたいんだよ、を伝える。

まぁ普通のマネージャーは多分ここまでしないだろう。

けど俺のためにすごく頑張ってくれて、辛いのに1人で我慢してるAを見てたら
俺たちなりの支え合いや在り方があってもいいと思った。




「分かりました」

しばらくしてAが言う。



「お互い鍵持ちましょう」

そう言ってるけど、多分Aから頼ることは無いだろう。

「…おう」

とりあえずそこには突っ込まないで納得するフリをする。
だから些細なことに気付いていつかAから頼られるまで長期戦は覚悟しないとだ。




「じゃあ、鍋食いますか」

気を取り直して俺がいうと、

「はい」

頷くA。



「開けるぞー」

土鍋の蓋を開けると、自分で作ってなんだけどものすごく美味しそうなキムチ鍋が登場。

「「美味しそう」」

声がかぶった。
俺は笑ったけどAはぎこちない。

思う所があるからだろうけど、いきなり全部言わせるのも無理だからスルー。



Aの喉が痛くなくて良かった。
中々の辛さだ。
これ食って寝たら確実に熱は下がるだろう。

「まだ寄せ鍋の出汁残ってるからこの冬もう1回鍋やるからな」

「え?そうなんですか?」

俺が言うとびっくりしてるA。

「ったりめーだろ、この鍋買ったんだし」

「この鍋、北山さん持って帰らないんですか?」

「俺んとこにあってもしょーがねーだろ。これは置いてくから次はAが作ってよ」

俺が言うと少し不満そうで笑っちゃう。




食べ終わってAが風呂の間に鍋達を洗って、ソファに寝転んだら寝てしまった。

「北山さん、風邪引きますよ」

しばらくしてAが起こす声がする。

「鍵あるんだから、一度帰ってまた明日来て下さいよ」

…帰りたくないから寝たフリをする。



するとAが部屋に戻る気配がして、戻ってくると毛布をかけてくれた。



泊まっていいんだ。

思わずにやける。



けど、次の瞬間Aが言う。


「ごめんなさい」


え?

何で??


俺は思わず目を開けてAを振り返ったけど、Aは気付かずに部屋の明かりを小さくすると寝室に戻っていく。



何で「ごめんなさい」なんだ?




…俺はAが人に甘えられない理由が
彼女にとってはものすごく深いものを抱えていたっていうことを、
この時はまだ知らずにいた。

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咲良(プロフ) - shizuさん» は〜い!いえいえ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 字数の都合で少し変えました!ありがとうございます! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 支えるとは 1ki ほら、ここ社宅だし 車の中で喋ってるのなら「あっこ」の方がいいと思います^_^ (2019年2月17日 10時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» んふふwいえいえ!楽しいんでおかしい日本語(?)あったら教えますよ(笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 急にアクセス増えてるー、と思ったらチェックする前に上げてました。毎度チェックありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年2月4日 11時

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