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一心同体 25 ページ33

北山さんは、

「俺の鍵はAが持っててAの鍵は俺で。お互い鍵持ってれば何かあった時に便利だろ?」

って言うけど。
私には「何か」が全く想像出来ず。

風邪の時に借りればいいという気にしかならなくて、私のを貸す想定は無い。



「特にAはヤバいからな!廊下に鍵置きっぱなしとか。普段鍵何処に置くんだよ」

「玄関ですけど」

鍵開けるのも閉めるのも玄関だし。

「はぁ!?マジでそれ危ねーから!鍵かけ忘れたら鍵取られるじゃねーか」

北山さんが本気で怒ってる。
でもそもそも、

「…不審者って入口に鍵掛かってるからそもそも入れないじゃないですか」

「誰かが開けたタイミングで入ってきたらンなもんいくらでも入れるわ!」

…あ、そうか。



それにしてもさっきからものすごく怖い顔で北山さんが怒ってる。
人の事で、しかもマネージャーのことでここまで怒れるとか凄い。
優しいよね。



「分かりました、鍵の置く場所は変えます」

「あと毎日施錠!俺、抜き打ちで見に来るから」

鍵を仕舞いながら北山さんは言う。



「これ1本しかねーの?」

「いえ、もう1本あります」

「…誰かに渡す予定とかあるわけ?」



北山さんが少し緊張してきいてくる。

渡す予定?
そもそも社宅だから、親には何かあったら事務所か管理人さんに言えば大丈夫って言ってあるし。



「無いですけど」

「…そか」



何だかホッとしてる北山さん。



「じゃあ、預かりまーす」

言いながら北山さんは火の調整をしてる。

「…」

やっぱり解せないけど。

夜中に鍵を無くした時に管理人さん起こさなくていいな、くらい。



「鍵は不用心だからマジで気をつけろよ」

それは理解した。

「…はい」



…でも本当に渡す必要ある?



「…何か言いたそうな顔をしてますけど?」

顔に出てたみたい。
北山さんがジロっとこっちを見る。



「私には正直『何か』が想定出来なくて…」

「例えば今日みたいな時だよ」

ムスッとしてる北山さん。



「今回は俺が気づいたから来たけど、そもそもしんどかったなら言えっつーの。親より来るの早いし鍵あれば入れるだろ?」

「でも、どこの世界にマネ…」

「はい!その言葉もう禁止っ!」

言いかけた言葉を北山さんが止める。



「いいんだよ、確かにビジネスの関係ではあるけど、それ以前に人として困った時は助け合う!それでいーじゃん」

そう言って優しい顔をする北山さん。



「俺たち、頼って頼られての関係で良くない?」

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咲良(プロフ) - shizuさん» は〜い!いえいえ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 字数の都合で少し変えました!ありがとうございます! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 支えるとは 1ki ほら、ここ社宅だし 車の中で喋ってるのなら「あっこ」の方がいいと思います^_^ (2019年2月17日 10時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» んふふwいえいえ!楽しいんでおかしい日本語(?)あったら教えますよ(笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 急にアクセス増えてるー、と思ったらチェックする前に上げてました。毎度チェックありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年2月4日 11時

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