サイボーグな彼女 2

一心同体 23 ページ29

目が覚めたら、辺りは真っ暗。

手探りでスマホを見つけて時計を確認すると、19時。



…ものすごく寝てたんだ。

電気をつけて、起きると伸びをした。


いつの間にかカーテンが閉まってる。
北山さんが閉めてくれたのかな。

身体を起こしてみると、汗が凄いことに。
これは熱下がったかな。


…体温計リビングだ。


ゆっくり立ち上がると、寝室を出る。



リビングからテレビの音。
そして人の笑い声。


…こんな感じ10年ぶりくらいだな。



寝室を出たドアを開け閉めした音で気づいたのか、

「あ、A起きたー？」

ソファから北山さんが顔を出してこっちを振り返った。

私のクッションを抱きしめてて、完全に寛いでる。



「おはようございます」

「はよー、ってもう夜だけどなー」

ハハハッ、て笑う北山さん。




「だいぶ顔色いーじゃん」

「ホントですか？」

「ん、熱測るか」

言いながらこの前買った体温計を出してくれる。



「喉渇いただろー？」

私が体温計を脇に挟んでると、立ち上がった北山さんは冷蔵庫に向かいながら

「何飲む？」

と、まるで我が家かのように冷蔵庫を開けてる。

「お水下さい」

「ん」



北山さんが水を入れてくれてる間に体温計が鳴る。

「37.3度」

私が体温計を取り出したのを見てると、

「どれどれ」

後ろから北山さんが覗き込んでる。

「んあー、あと少しっ！」

オーバーなリアクションしながら「はいっ」て水を渡してくれる。



「具合どう？」

自分の分もいれてたみたい 。
水を飲みながら聞いてくる。

「ものすごくスッキリしてます」

「おー、良かった」

私が言うと、ものすごく嬉しそうな北山さん。



「なんか食えそう？」

「はい。お腹空いてきました」

「おっけー」

言ってニッと笑うとキッチンに向かう。



「…鍋しない？」



そう言って北山さんは、キッチンから土鍋を見せてきた。

見た事のない土鍋。



「えっ？どうしたんですか？？」

「さっき買ってきた」



…買ってきた？？

キッチンに向かうと、土鍋とカセットコンロがある。
あと、鍋用のカット野菜も。

「どっちがいい？」

キムチ鍋の素と寄せ鍋の素を私に見せて、満面の笑みを浮かべる北山さん。

汗かく方がいいかな。

「…キムチ鍋で」

「おっけー」

北山さんはニッて笑う。



「そしたらさー、また汗かくだろーから。いま着替えだけしてこいよ」

鍋の素のレシピを見ながら言う北山さん。

「…はい」



…作ってくれるのかな。

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