サイボーグな彼女 2

一心同体 22-3 ki ページ28

風邪を引いた日。

「北山さんが熱を出した。おばあちゃんにりんご蜂蜜生姜ティー作り方を聞く。夜中にごめんね。高いりんごと生姜なら多少味悪くても効くかな。」

下にレシピが書いてある。

「りんご＋生姜＋はちみつ 「最強の殺菌」」

っていうメモも。
おばあちゃんの言葉なのかな。


あと、雑炊のレシピも。
そして、

「持ち歩くなら卵は半熟にしない」
「治れーと念じながら作る→最強」
「熱があるならしょうが汁も入れる」
「愛情が最強の調味料(でも塩は必ず入れる)」
「鳥＋卵 鮭＋ほうれん草 野菜 全て最強」

「それより最強→睡眠」

端にメモがある。



…Aのおばあちゃん、面白そうだな。



次の日。

「リバウンド王 北山。私が早く起こしたから申し訳ない。」

ぶり返した日か。
リバウンド王って。




さらに次の日。

「完治。良かった。」

一言だった。
Aのお陰なんだけど。




俺が連絡しなかった日。

「久しぶりに山本さんに会う。あの子にも会う。コーヒー掛けられた。もう会わないならいいか。」



…これのことか。
あの子って誰だ？



「とにかく、北山さんが無事に帰ってて良かった。」




ここで終わってた。
そーか、昨日倒れたもんな。





…なんだよ。

俺、すげー大切にされてんじゃん。

ものすごく胸が熱くなった。



俺は手帳を仕舞うと、寝室に向かった。

寝てたら悪いから、控えめにノックする。



「Aー、入るぞー」



そっと開けると、やっぱり寝てるA。


近づいて覗き込むと、ものすごく無防備な顔で寝てる。
汗をかいてるみたいで顔に汗が浮かんでる。




…タオル。

タオルどこだよ。


辺りをキョロキョロするけど見当たらない。




いいか、俺ので。
少し使ったから申し訳ないけど。



俺はカバンからタオルを取り出すと、見える範囲の汗を拭く。

冷えピタも新しいのを貼り直した。




…ホントにさ。

Aからしたら、俺の世話をあれだけやらされて、嫌な思いして、放ったらかしに合って、熱出て。

最低最悪な年末年始になっちゃったじゃねーか。



「ごめんな」



俺はAの頭を撫でた。

髪が柔らかくて気持ちいい。



Aの寝顔を見てたら、なんだか落ち着いて。



あー、やべ。

寝そう。



そーだよな、夜通し起きてるんだし。

でもここで寝てたらAびっくりするよな。


…電話かける手間省けるし、いいか。

Aの寝顔を見ながらなんだか幸せな気持ちで眠りについた。

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