サイボーグな彼女 2

一心同体 22-2 ki ページ27

寝室のドアを閉めて、キッチンに向かう。



雑煮ー！雑煮ー！


時計を見るともう10時。
そりゃ腹も減ってるっつーの。


冷蔵庫から雑煮の鍋と、キッチンカウンターにあった餅を手に取る。


餅は焼くのか？煮るのか？


google先生によるとトースターで焼くと美味い、と書いてあるので焼くことにする。


後は食器だな。


「失礼しまーす」


食器棚を開けると、結構色々な食器がある。

でも全部一人分。



…本当に1人で生きてきた、って感じだ。
つーか、正月実家に帰らねーのかな。



飲み物とかも冷蔵庫から適当に用意して、雑煮を食う。


「…うまっ！！！」



ヤバい。

歴代食った雑煮の中で一番うめー。
餅を追加して雑煮を完食する。



…ちょっとテレビでも見るかな。

リビングに向かうと、テレビの横にみかん箱くらいのコンテナみたいな箱がある。



なんだこれ。



中を覗くと、キスマイのCDやDVDが入ってる。

そして、手帳が一冊。



中を見ると、Aの字で俺に関するメモ。

マネージャー初日から始まってる。




小さなことが書いてある。

1日1行から2行。





初日は、

「この前の予習のお陰で待たせずに到着。ありがたかった。」



１週間経った頃

「ようやく北山さんが寝てくれる。少しでも長く寝てくれますように。」

…俺が質問攻めしてた頃か。



2週間経過

「北山さんは寒いのが苦手。温度と湿度注意。」

…ブランケット買ってくれた頃かな。



3週間経過

「今日は舞祭組の送迎。テンションがまだ慣れないけど皆優しい。運転褒められた。」

へぇー、それなら良かった。



4週間経過

「北山さんちの近所に引越し出来るらしい。助かった。」

この頃決まったんだ。



それから3日後

「荷造りほぼ終了。北山BOX新調完了。」

え、早っ。
辺りを見渡すと確かに荷物あまりないな。
つかこれが北山BOXか？


数日後

「引越し完了。偶然会った北山さんと焼き鳥。楽しかったし美味しかった。名前呼びは必要かよく分からない。」

あ、焼き鳥楽しかったんだ。
名前呼びの件はAらしくて笑える。



…これ、読んで良かったのか？



パラパラめくってくと、キスブサの感想とかも書いてある。

「私は北山さんの方が良かったけど。」

「あれはない。」



歌番組の感想も。

「今日は調子悪そう。高音でいつもより眉間のシワ。明日は湿度高めで。」



ブランケットの洗濯をした日や加湿器の手入れをした日も書いてある。



…これ、すげー。

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