サイボーグな彼女 2

一心同体 22 ページ25

着替え終わって少しすると、ドアがノックされる。



「着替え終わったかー」

北山さんが声を掛けてくる。

「はい」

返事をする私。
さっきうがいしたからか声が出しやすい。

ドアを開ける北山さんは、着替え終わってる私を見て満足そう。



「お、あとは食って薬飲んで寝るだけだなー」



って言って、ヨーグルトやゼリーと水と栄養ドリンクを持ってきてくれる北山さん。




「どれ食うー？」

「…果物入ったヨーグルトがいいです」

「おっけー」



すると、ヨーグルトを探してくれてる北山さんの顔が曇る。



「…ごめん、俺が食ったわ」

「じゃあ果物入ったゼリーで」

「マジでごめん」

「いえ、元々北山さんのなので」



ものすごく残念そうな顔をしてる北山さん。

気しなくていいのに。



「1個食えよー」

フタを開けてくれながら北山さんが言う。

「…はい」

食べられるかな。
ホント、食べたくないんだけど。

でも私も食べてって怒ったしなー。



チラッと北山さんを見ると、ニヤッて笑ってる。

「ほらほらー、食え食えー」

この前と立場逆だな。
嬉しそうな北山さんに笑っちゃう。

「あ、また笑った」

嬉しそうな北山さん。



何がそんなに楽しいんだろう？



「さすがに気のせいじゃねーよな」

「そうですね」

話しながら食べてると話に集中出来るから、少し食べることに抵抗なくなってきた。




北山さんは他愛もない話をずっとしてる。

「Aんち、ホントに俺んちに近いんだなー」

「そうですね」

私は相槌を打ちつつゼリーを食べ続ける。



「つーか、気づいた。俺、マスク用意してたのに渡し忘れてた」

「あ、私もしてないのにそのままだったですね」

「でもマスクしてたら笑った顔見れなかったもんなー」

「ならマスクしてれば良かったです」

「…おい」

ジトッと私を見る北山さん。




「また風邪うつるかもしれないですね」

「そしたらまた雑炊作って」

「…」

私は返事をせずにゼリーを食べ続ける。

「こら、まただんまりか」

睨んでくる北山さん。



「ごちそうさまでした」

「はいよー」

北山さんが食べ終わったゼリーの容器とスプーンを受け取ってくれる。

「お薬下さい」

「その前に返事」

「…おやすみなさい」

布団に入ろうとする私に、

「おい」

北山さんが折れて薬と水と栄養ドリンクをくれる。



「じゃ、おやすみ」

「おやすみなさい」

「何かあったら呼べよ」



枕元に携帯を置いて北山さんは部屋を出た。

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