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一心同体 21 ページ23

遠くで声がする。


何?


顔にひんやりと冷たい感覚。



「…A」

誰かが呼んでる。




「…おーい、A起きろー」



ぺちぺちと頬に感覚。



また、叩かれてる。

これさっきもあったな。



ゆっくり目を開けると、目の前に北山さん。



「あ、起きた」

北山さんは目が合うとホッとした顔をしてる。



「大丈夫かー?おんぶしてくか?」

心配そうな顔をして私を見てる北山さん。



…さっきこの後説教って怒ってなかった?



首を振ると、頭に鈍痛。



「え、大丈夫か?」



顔を歪めたのがバレたかな。

でも私は北山さんの質問には答えず、ブランケットを外す。
それを手伝ってくれる北山さん。




チラッと私を見た後で、



「…ほら」



手を差し伸べてくれる。




私がびっくりしてると、北山さんは私の手を取る。

「ほら、掴まって」

言いながら、私が車を降りるのを支えてくれる。



そして、

「はい、歩きまーす」

車のドアのロックをしながら私の腕を一度離して手を繋ぐ形に変えて、北山さんは歩き出す。


え?
手を繋ぐの?


突っ込む気力がないから、されるがままの私。

エントランスの前まで来ると、北山さんは普通に自分のポケットから私の鍵を取り出した。



あれ?何で?



また突っ込む間も与えずに、北山さんはドアを解除して再び歩き出す。

部屋の前に着くと、また普通に鍵を開ける北山さん。


「はい、手を洗ってうがいしてこーい」



ようやく玄関で北山さんから手を離してもらえる。

ホッとしたのも束の間、家に上がる段差を乗り越えようとしてフラついた。



「わ!バカ!」

慌てて背中を支えてくれる北山さん。

「…危なっかしいんですけど?」

北山さんは後ろから私の顔を覗き込む。



私は答えずに北山さんから起き上がろうとするも、北山さんは離してくれない。

「あはははは!もー、この頑固者っ!手伝ってって言えよ!」

北山さんは笑って言いながら、背中を押して私を立たせてくれた。



大丈夫ですよ、これくらい。

言いたいんだけどそれすらしんどい。




「…ったくー、こんな時くらい甘えろっつの」

言いながら北山さんは靴を脱ぐと、私のお腹に両手を回す。

そして、

「はい!イチ、ニ、イチ、ニ」

掛け声と共に一緒に歩き出す。



洗面所に着くと手洗いうがいをするのを待っててくれて、終わると寝室までまたさっきの格好で送ってくれる。



「はい、着替えろー」

言ってドアを閉める北山さん。

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咲良(プロフ) - shizuさん» は〜い!いえいえ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 字数の都合で少し変えました!ありがとうございます! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 支えるとは 1ki ほら、ここ社宅だし 車の中で喋ってるのなら「あっこ」の方がいいと思います^_^ (2019年2月17日 10時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» んふふwいえいえ!楽しいんでおかしい日本語(?)あったら教えますよ(笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 急にアクセス増えてるー、と思ったらチェックする前に上げてました。毎度チェックありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年2月4日 11時

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