サイボーグな彼女 2

一心同体 19 ki ページ20

なんやかんやで診察室まで付き添う俺。

「風邪と疲れだね」

医者が言う。



「やっぱり俺の風邪がうつったんじゃん！」

あーあー、やっぱり俺じゃん。
しかもその後もらった薬も一緒。

「ほぉーら、俺と同じじゃねーか」

俺がニヤッと笑って言うと、何か言いたそうに俺を見てるA。




でもこうなったのは俺の責任な可能性が相当高くなったわけで。

「面倒見るからなー」

俺が言うと、

「…はい」

Aはやっぱり何か言いたそうに俺を見てる。

俺からうつった可能性や証拠は何処にある？くらい考えてるんだろう。
でももうこうなったら関係ない。



車の後部座席を開けて、ブランケットをAに巻きながら聞く。

「何か食えそう？」

「食欲ないです」

ほら一緒じゃん。
でも言うとまた目で訴えられそう。

「だよなー。だから俺の部屋に置いてってくれたやつ、少し持ってきた」

そして冷蔵庫の隙間に入れてきた。

「…じゃあ、その中から何か食べます」

「ん」

さすがに食わないとは言わない。
俺にはあれだけ食えって怒ったもんな。

俺は運転席に回るとAの家に向かう。




そうそう、ヨーグルトとか入れてて気になったことがあったんだった。

「つーかさー、Aんちの冷蔵庫スゲーな。鍋入ってたんだけど」

「あぁ、お雑煮とおせちカレーです」

「おせちカレー？」

なんだそりゃ。

「我が家はおせち料理あんまり好きじゃないから、昔からおせち料理の代わりにカレーかハヤシライスするんです」

「へー！」

おせち料理の代わりか。
確かに作ったら何日かカレーでいいもんな。
なるほど。

「でも、お雑煮は食べたいからお雑煮は作るんですけど」

「あー、分かる。正月って食いたくなるよなー」



うわー、話してたら雑煮食いたくなってきた。



「良かったらお餅入れて食べて下さい」

ふと、Aが言う。

「え！いいの？」

「今日の御礼です」

「マジか！！」

やったー！
雑煮が食える！



むしろ、カレーも食いたい。
そしたらこの時間なら今日のメシそれでいーじゃん。

「え！え！カレーも食っていい？」

「…大丈夫ですけど…」

「うはー！！やったーー！」



喜んでる俺にびっくりしてるA。

「お腹壊さないですか？」

「え？2食分だよ？」

「え？」

「熱下がるまで居るに決まってるだろ」

「決まってるの！？」

素の反応のA。



「あ！！！またタメ語きた！！！！」



俺の言葉にAが「あ！」って顔してる。

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