サイボーグな彼女 2

一心同体 19 ページ19

結果。


インフルエンザは陰性。

「風邪と疲れだね」

咳が少し出て喉が少し痛い。
症状も一緒だったから、お医者さんから診断された私に診察室までついてきた北山さんは

「やっぱり俺の風邪がうつったんじゃん！」

と、さっきとは一転、申し訳なさそうになるどころかドヤ顔。



そしてさらに北山さんと全く同じ薬が出された。

「ほぉーら、俺と同じじゃねーか」

処方箋を持って勝ち誇ってる北山さん。



そんなのだいたい同じもの処方されるって。

熱が38.8度あったので、さすがに怠くて北山さんに反論するテンションにもなれない。



「面倒見るからなー」

「…はい」

北山さんは、完全に親にお手伝い出来るのを喜んでる子供みたいなテンション。

こっちは具合悪いのにどこか楽しそう。



車に乗ると、北山さんはいつも自分がくるまってるブランケットを私にかけながら言う。

「何か食えそう？」

「食欲ないです」

「だよなー。だから俺の部屋に置いてってくれたやつ、少し持ってきた」

「…じゃあ、その中から何か食べます」

「ん」


満足そうに笑ってる北山さん。



運転席に回ると車を走らせる。



「つーかさー、Aんちの冷蔵庫スゲーな。鍋入ってたんだけど」

「あぁ、お雑煮とおせちカレーです」

「おせちカレー？」

北山さんが聞いてくる。



「我が家はおせち料理あんまり好きじゃないから、昔からおせち料理の代わりにカレーかハヤシライスするんです」

お母さんがいなくて作れなかったし、
お正月は田舎は特にお店が開いてないから私たちが作れたのがそれ、っていうのもあったけど。

「へー！」

「でも、お雑煮は食べたいからお雑煮は作るんですけど」

「あー、分かる。正月って食いたくなるよなー」

あ、お雑煮食べたいんだ。
大晦日で疲れるだろうから、30日の朝に作っておいたやつなんだけど。



「良かったらお餅入れて食べて下さい」

私は食べれないし。

「え！いいの？」

北山さんのテンションが上がってる。

あ、お腹空いてるか。
普通なら。

「今日の御礼です」

「マジか！！」

予想以上に嬉しそう。



「え！え！カレーも食っていい？」

「…大丈夫ですけど…」

「うはー！！やったーー！」

え？
お雑煮とカレー両方食べるの？


「お腹壊さないですか？」

「え？2食分だよ？」

「え？」



そんなに長く居るつもり？



「熱下がるまで居るに決まってるだろ」

「決まってるの！？」




「あ！！！またタメ語きた！！！！」

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