サイボーグな彼女 2

一心同体 17 ki ページ16

鍵をAに黙って借りると、一度家に帰った。


シャワーを浴びて着替えてドライヤーで髪を乾かすと、カバンを掴んで家を出る。

多分時間にして、小一時間だろう。



Aの部屋に戻ると、一応チャイムを鳴らして入る。



「入るぞー」


声を掛けてから上がる。

Aが寝てる部屋に入ると、寝てるAのおデコを触る。

熱いままだった。


「…そりゃまぁ下がんねーよな」

思わず口にする。




ひとまず病院に連れていかないと。


「ほら、A。起きろ」


ほっぺをぺちぺち叩いてAを起こす。

ゆっくり目を開けたAは、目の前にいる俺に驚いてる。

「…なんで北山さんがここにいるんですか？」

あれ？敬語に戻ってる。




「え？病院連れてくから」

俺が言うと、

「えっ？」

驚いて起き上がるA。



てか、起きれるのか！？

「え！マジか！ホントに少し寝たら動けてる！」

「はい？」

「…覚えてねーの？」

「何のことですか？」

さっきの素のAが消えてる。



…完全に通常運転に戻ってる。

え？この小一時間で！？



「アハハハハ、マジでか！！お前マジか！！！」

思わず笑っちゃう。

「…え？」

キョトンとしてるA。

「いやいい、こっちの話」



すげーよ、マジで。

回復力半端ないな。




でも、熱はあるし病院は行かないと。

「ほら、財布用意しろ。病院行くぞ」

俺が言って立ち上がると、

「えっ？」

驚いてるA。




「連れてくから」

「え、いいですよ。自分で行けます」

俺が言っても渋るA。

「無理。もう決定事項」

そう言って俺はAの頭の上に手を乗せると、

「俺が倒れた時、あれだけ面倒見てくれたんだから。今度は俺に面倒見させてよ」

安心させるように言う。




けど、Aの表情は硬いまま。



「どこの世界にマネージャーを面倒みるタレントがいるんですか？」

熱がある割にキチンとつっこむA。

「ここの世界のここだよ」

俺が返すと、Aは何かをいいだけな目で俺を見る。



…ホント、素直じゃない。

甘えりゃいーのに。




「他所はよそ。うちはうち。いーんだよ、とにかく行くぞ」


言ってAの腕を掴むと無理矢理立たせる。
無抵抗なAはすんなり立った。

よし、後は病院に連れてくだけだ！


「着替えの時間3分やるから、着替えるなら着替えろ。3分後の格好のまま行くからな」


部屋を出ると、マスクや冷えピタを準備してAが準備するのを待つ。

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