サイボーグな彼女 2

一心同体 16-2 ki ページ14

部屋の前まで来ると、チャイムを鳴らす。


無反応。


思い切ってドアを開けると、鍵が開いてる。



はぁっ！？
不用心にも程があるだろ！



「おい！A！」



さすがにイライラして、
靴を脱ぎながら声を掛けるけど返事がない。

玄関にはストールとコートが落ちてる。



「上がるぞー！」



宣言だけして上がると、ストールとコートを拾う。

さらに先に鍵が落ちてる。

その先に車の鍵が落ちてる。



…なんかこんな童話あったな。



落ちている物が服に変わった。

なんだこれ。
ちょっと笑う。



拾いながら行く先にベッドがあって、その上でAが突っ伏してる。


着替えはしたみたい。

ラフな部屋着になってる。



「A？」



声を掛けるけど返事がない。

「おーい、A」

肩を掴んでゆする。
まさか死んでないよな？



「…はい」



突っ伏したまま答えてるA。
お、生きてた。
少しホッとする。


「起きろ、てか寝るならちゃんと布団入れ」


言うと、起き上がったA。



俺が居るのに気付くと、

「北山さん？あれ？夢？？」

寝ぼけてるのかタメ口になってる。
顔もすっぴんで少し幼ない。



「夢じゃねーよ」



起き上がったAのおデコを触る。

ものすごく熱い。



「いつから？」

俺が聞きながら睨むと、目を逸らすA。

「んー、今朝？」

自分のことなのに疑問形？



「何で言わねーんだよ」

おデコを触っていた手を離して軽くデコピンすると、

「北山さん、このタイミングで私が熱出したって知ったら責任感じるでしょ？」

おデコを抑えて言う。



なるほどね。

昨日の今日だしな。



「ばぁーか。んなこと気にしてんじゃねーよ」

俺がいうと、

「とりあえず今日乗り切れば3連休だし、なんとでもなるから」

答えずに布団に入ろうとするA。



「ふざけんな、病院行くぞ病院！」

俺が止めようとしても

「とりあえず寝てから」

Aは尚も布団に入ろうとする。




「ンなもん許すわけねーだろ、行くぞ！」

俺が止めようとしても

「動けない。まず寝る」

聞かずに布団を整えるA。

「連れてってやるから」

「…その格好で？100%バレるって」

言われて自分の格好を見る。



まぁ確かに。



「ひと眠りしたら動けるから。後は大丈夫なんで。よい連休を」

言いながら布団に入るA。




これがAの素か。
少し笑う。



こうなったら。



床に転がっていたAの家の鍵を掴んだ。

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