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一心同体 16 ki ページ13

「北山さん、着きました」


Aが、声をかけてくる。




言うなら今だな。



「…おーー」

荷物を持ちながら、

「ありがとなー」

何だか照れくさくなって、窓の外を見た。



けど、ちゃんと言わなきゃだよな。
お礼なんだし。



「え?」



Aが、振り返る。



「色々」

言いながら、Aを見ても

「何がですか?」

不思議そうな目をしてるA。



そりゃそーだよな、何だ?ってなるよな。
ちゃんと言わないと。



「昨日遅くまで待っててくれたことも、マネージャーやってくれてることも」



俺が言うと、目が細くなるA。



え!?
笑った!?



「A?」


びっくりして声をかけたら目がパチ、って、開く。



あー、眠かったのね?



「あ、ごめんなさい。お疲れ様です」



運転ずっとしてたから疲れてんのかも。
じゃあ降りるか。

俺が手を出すと、Aも手を出す。

笑って貰えた、って勘違いが恥ずかしくて思い切りハイタッチしたら
「パン!」とものすごくいい音する。



一瞬触れた手が温かい。



「また4日になー!」

「はい、お疲れ様です」


俺が降りると、一瞬ブワン、とエンジンをふかして、車が走り出す。



珍しい。

ギアでも入れ間違えたのかな。




カバンを持ち直して、マンションの鍵を取り出して入ろうとして、ものすごく違和感を感じた。



待てよ?

アイツ、あの暑い車の中でストール巻いてコート着てたよな。
発車失敗したことなんて今までなかったし。



異常に温かい手。

話しながら寝るレベルの目。




まさか。

あのバカ!!!!!!




慌ててスマホを取り出すとAに電話をかける。

運転中だからか出ない。



何度か電話をかけながら上に出るけど、さすがに車はもう見えない。




くそーーー、家聞いておけば良かった!!!

武田ちゃんなら知ってるかな。



慌てて武田ちゃんに電話をかける。



『はいよー』

「ごめん、武田ちゃん!いま大丈夫?」

『おー、いまうち着いたとこ』

「Aの家知らない?アイツに手帳預けたままで取りに行きたいんだけど電話出なくて」



何となく咄嗟に嘘をつく。



『おお、社宅だし。知ってるから送るよ』

「さんきゅ、助かるー」



電話を切るとすぐに送られてくる住所。




すげー近いじゃん。

俺は走ると、エントランスで部屋のチャイムを鳴らす。



『…はい』

「開けろバカ!!!」

『…』



息を切らしながら言う俺に
無言でドアが開いた。

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咲良(プロフ) - shizuさん» は〜い!いえいえ (2019年2月18日 22時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 字数の都合で少し変えました!ありがとうございます! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - 支えるとは 1ki ほら、ここ社宅だし 車の中で喋ってるのなら「あっこ」の方がいいと思います^_^ (2019年2月17日 10時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
咲良(プロフ) - shizuさん» んふふwいえいえ!楽しいんでおかしい日本語(?)あったら教えますよ(笑) (2019年2月13日 23時) (レス) id: 29a9983703 (このIDを非表示/違反報告)
shizu(プロフ) - 咲良さん» 急にアクセス増えてるー、と思ったらチェックする前に上げてました。毎度チェックありがとうございます! (2019年2月13日 23時) (レス) id: 9bf290c5ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shizu | 作成日時:2019年2月4日 11時

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