俺のとこにおいで 2 【灰谷蘭】

▪．＿0 ページ33

．











「佐倉潰れたな。」



「やっぱお酒弱いよね〜」








毎回お酒飲まないようにしてる佐倉に、
飲め飲めと飲ませる三途と兄貴とか。
















．













「オレ担ぐわ」



「三途は無理、どけ」



「争うなよ」










誰が潰れた佐倉を持つか。と毎度争う三途と兄貴だが、

そう争ってる中、ひょい、と姫抱きで持つ鶴蝶…

















．












「は、鶴蝶おめぇ！！！！」



「鶴蝶ー、オレ持ってく」



「寝てんのに争うなよ、早く車乗れ」












毎度兄みたいな、保護者みたいな鶴蝶。

一番佐倉を分かってるし、そもそもお酒飲んだ三人より飲んでない鶴蝶が持った方が安全、と


そこら辺も考慮してるらしい…平和だな、
















…なんて。

ここは犯罪組織、梵天。


人も殺すし、売春だってヤク物だってなんだってする。








そんなところの上に立つ俺ら。
消して普通じゃない、化け物扱いだってされるし、

人を殺した回数だって覚えてすらいない。









そんな俺らでも、唯一普通で、

楽しく、自分が犯罪組織ってことを、








佐倉が居れば、忘れられる。


















「佐倉！！！！！！！」



『はいっ…！！！』



「この資料灰谷のだバカ！！！！！」



『すいません…っ！！！！』










少しばかりやらかしてしまっても、
口論しても。















「Aちゃんお腹空いた〜」



「俺も」



『今作ります〜！』











賑やかで、たまに騒がしいけど、


それが俺らにとって凄く平和で、温かくて。















「佐倉、お前そろそろ寝ろ。クマひでぇぞ」






アホなくせに、頭いいし。

















『ッいったぁ…』





すぐ怪我するけど、その度に兄貴とか、
三途とかがすぐに駆けつける。

















秘書。という役職の佐倉だけど、

この梵天に欠かせない存在なのかもしれない。







佐倉が居なくたってこの梵天はやっていけるけど、



俺らにとっての何気ない幸せだったり、






それが、いつ無くなるかも、壊れるかもしれない




この日常にとって当たり前じゃない何かが









佐倉が居ることで変わったりするから。

▪．＿0→←▪．＿0

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す