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そろそろ帰るわと、修司は部屋を出ていった。



修司が帰った後の部屋は静寂に包まれ、ひとりぼっちの虚無感に襲われる。


私は修司を信じてもいいのか。
どんな理由があろうと過去に私の前から消えた。
それでも1度は愛した人。忘れられない人。


「もう...いや...」


全てが嫌。
散々遊びまくっていたくせに、中身は臆病なまま。


修司も修司で勝手すぎる。
お前は身体目的だったと言ったくせに。

両親が亡くなった時も、そばに居てくれたのは修司だった。
絶望の真っ暗闇の中の私に
"Aには俺がいるよ"と言ってくれた。


修司と共に過ごす学生生活はとても楽しかった。





そんな億劫になる朝。
重い身体を持ち上げ、やっと学校へ行く準備を始めた。


専門学校2年生。
卒業したら進路はどうしよう。


え、どうしよう。



音楽の道へ進もうかとも考えたが、現実的に厳しいか。
我ながら打たれ弱い私には到底無理だろう。


学校に着くと、いつもの友人といつもの先生。いつも通りの授業。


音楽好きが集まるここの中には凌さん達のファンもいて、
昨晩のライブの興奮が未だに抜けないという声が聞こえた。


あまり気にしていなかったが、凌さん達の人気って結構凄い。
そんな人に付いてるなんて自慢し放題。まぁしないけど。



みんな、どうするんだろう。
アーティストを目指すのかな。
就職するのかな。人それぞれ。


あとで凌さんに相談してみよう。

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作者名:なちゅ | 作成日時:2020年4月9日 14時

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