検索窓
今日:24 hit、昨日:21 hit、合計:21,512 hit

22 ページ22

その打ち上げにはもちろん修司達もいるわけで。


少し離れたところにいるが、同じ空間にいる。
さっきあった出来事がフラッシュバックしてくる。

また気分が悪くなり、煙草を持って外に出た。



にぎやかな店内とは裏腹に、外は閑散としていた。



『おう。』


「あ、来たんですか」



『一服。お前もだろ?』



そう言って私の手からライターを奪いとる凌さん。



『具合大丈夫か?』



「ちょっと出したんで大丈夫です」



『きったね〜』



笑いながら話す私達は、外の空気に触れたせいで徐々に酔いも抜け出した。
さっきまでの酔いは雰囲気酔いもあったということだろうか。



『悪ぃけど、今日の修司との話、聞こえてたわ。』



「え...聞いてたんですか」



『なんかお前が隠そうとしてたから言わなかったけど。』



隠したというのは舞台袖での事だろうか。
それともその後も聞いていたか?
何故か凌さんには知られたくなかった。



『まぁ、別に尋問しようってんじゃねぇよ。人の色恋興味ねぇから。』



「興味、ないですか?」



『え、聞いて欲しいの?』



興味ない、私に興味が無いということだと思うと、それは少し寂しい。
私は凌さんの事、興味しかないのに。



「いえ。もう終わったことなんで。」



『ふーん、修司みたいなやつが好みなんだ』



「詮索しないんじゃないんですか!」


『え?』



とぼける凌さん。
この2人の時間は緩やかに流れ、私にとって相変わらず心地のいいものだった。



そうしているうちに、もうタバコは燃え尽きていた。

23→←21



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.3/10 (25 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
31人がお気に入り
設定タグ:恋愛 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:なちゅ | 作成日時:2020年4月9日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。