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「何?急いでるんだけど。」
修司「ならまた後でいいから、会えないかな?」
「私は用ないんだけど。」
修司「なんでそんなに冷たいんだよ。久しぶりなのにさ。」
ヘラヘラと笑う修司に少し苛立ちを覚えた。
「話って何?」
修司「お前さ、凌さんと付き合ってんの?」
「別に。関係ないでしょ。」
修司「凌さんは辞めとけ〜」
なによ。あんたに何がわかんのよ。
私を捨てたくせに。
凌さんへの想いが分かってしまった今、修司には苛立ちと嫌悪感しかない。
あんなに苦しむほど好きだったのに。
なんで今までこんな奴...
修司「凌さんはお前の事相手にしないぞ。」
「うるさいな!何が言いたいの?」
つい声を荒らげてしまった。
それでも周りの人達は私達の事なんて気にも止めない。
その瞬間、腕を強く引かれ、呆気なくも修司の胸の中へ誘われた。
修司「お前は俺しか愛せないんだろ?」
耳元で呟く声に身体が固まった。
修司「別れた後、そう言ってただろ。何?忘れた?」
「やめて!」
さすがに自分が惨めに感じて
修司を突き放した。
なにより、懐かしさに少し歓喜した自分が惨めで情けない。
彼の言う通り。
ずっと忘れられなくて。
修司以上に愛せる人はいなかった。
「...今更なによ。何が言いたいの。」
修司「まぁ、そういう事だよな。また連絡するよ。」
そう言って修司は居なくなった。
突拍子もなく現れて、私の心を滅茶苦茶にしていく。
『おーい。』
「凌さん。」
『なにやってんだ。早くしろ。打ち上げの店もう行くけど。』
「あぁ、はい。すぐ終わらせます。」
凌さんはいつもと変わらない。
凄く複雑な気持ち。
凌さんをじっと見つめるが相変わらずカッコイイ。
修司の言う通り。私の事なんて...
『なに』
「いや...」
『置いてくぞ。』
「いや、待ってくださいよ〜」
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作者名:なちゅ | 作成日時:2020年4月9日 14時