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深澤side






話さなくなってから三週間




いつもの時間にベランダに出てもAちゃんは居ないし、エレベーターで一緒になることもなかった







今日も会えないか、そう思いながらエントランスを通りエレベーターに乗り込むと「あっ私も…」と後ろから声が聞こえて振り返った





『あ…』




3週間ぶりにみるAちゃん



なんか、雰囲気変わった?



そんなことが頭に浮かぶ




『大丈夫です、すみません』




「ちょ、なんで?いいから」




俺はエントランスに向かおうとするAちゃんの手首を掴んでエレベーターに乗り込み扉が閉まると同時に抱きしめた




いきなりこんなことすんのやばいってわかってるけど





『や、嫌です、離してください』




「俺がやだ、3週間会えなくて心配してたんだけど」





『深澤さんは…こんなとこしちゃだめですよ』





「ねえ、なんで深澤さんって呼ぶわけ?しかも敬語だし」





『生きてる世界が違うからです』



『深澤さんの職業、やっとわかりました』




小さく聞こえるAちゃんの声は少し震えてる




そういうとエレベーターの扉が開いた




「今日俺んちね」




『だめです、もう私に関わるのはやめてください』





「俺がいいって言ってるからいいの」





手を引いて俺の家にAちゃんを入れる





「ねーもういいから!ほら早く上がって」




いつもの俺みたいに言うとAちゃんは玄関からやっと部屋に入ってきた





前の強気なAちゃんはどこに行ったのかね、






ソファに座らせると俺は冷蔵庫からビールを取り出して目の前に置いた




「はいこれあげる」





『えっ』




驚いた顔するAちゃんがマジでめちゃくちゃ可愛いのね?





俺がAちゃんが好きなビール忘れてるとでも思った?





てか、いつ会えてもいいように冷蔵庫にストックしてたんだけど?






あー俺、いつのまにかAちゃんにどっぷりハマっちゃってるわ








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作者名:わんわん | 作成日時:2020年4月3日 15時

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