ベランダとタバコ（紫） (ページ16)

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「あーそういえばさっきビール買ってきたけど、飲む？」

『んー…』

「遠慮しなくていーから！ちょいとお待ちを」

そう言って部屋の中に消えるとビールを2缶持って帰ってきた

「ほれ、あげる」

『あ、私が好きなやつだ』

「あーそうそう、俺それ飲んでみたかったから飲んでみようと思ってさあ、さっき買ってきたのよ」

『それならこれ深澤さん飲んだ方がいいんじゃないですか？？』

「と言うと思いました」

ジャーン、とドヤ顔で見せてきたそのビールは私のと同じものだった

「いやーちょうど2缶買っててよかったわ！」

『昨日も奢ってもらったのに…なんか申し訳ないです』

「俺が好きでやってるからいーのよ」

『そういえば、深澤さんはいつお仕事から帰ってきたんですか？』

「んー、1時間前とか？今日そんなに詰め詰めじゃなかったから楽だったわ～」

『ますます気になるなあ、なんの仕事か』

「いや～、いつ分かるか楽しみだ」

深澤さんはグイッとビールを飲んだ

「…てかさ、敬語って堅苦しくね？

俺年上だからって気遣われるの苦手なわけよ、てなわけで！今日から敬語は無しでお願いしますね？」

『えっいきなり過ぎません？』

「はーい敬語使ったのでタバコ1本没収しまーす」

『ちょ、これ貴重な1箱なのでやめてくださいよ！』

「えーどゆこと？」

『深澤さんが買ってくれたこの箱で最後にしよって思ってて、ほら、なんか男ウケも悪いし…』

「別関係なくね？

てかタバコ吸ってろうが吸ってなかろうが、こんな可愛い子男なら放っとかないと思うけどねえ俺は」

『…じゃ、深澤さんも思ってくれてます？？

なんてね～…もう、こっちこそ気遣われるの苦手なので無理しないでいいですよ笑』

「俺は可愛いと思うんだけどな～」

『それはそれは、有難うございます』

「えーそれ信じてなくね！？

てか敬語やめてっつってんじゃーん！」

『んー…努力はしてみる』

「ういー」

そういいながら乾杯してくる深澤さん

タイミングおかしくない？

「あーてか深澤さんてのも俺きらいだわ！

俺ふっかとか呼ばれてるから適当に呼んでよ」

『んーじゃあ、ふっかって呼ぼっと』

「おお、そのまんまだな、まあいいけど」

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