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橙side
あれからも毎日のように、男とホテルに入っては口先だけの愛を貰って家に帰るを繰り返していた。
だから何がきっかけになったんかは分からん。
けど、今まで繋がってたヤツらに俺の年齢がバレてもうた。
流石に未成年ってのはマズイみたいで、今まで電話を掛ければすぐに出てくれとった人も、メールを送ったら仕事中でも返信をくれとった人もみんな音信不通になった。
あぁ、やっぱり俺は愛されてなかったんやね。
分かっとったけどしんどいな。
ちょっとでも本気で信じてもうたのが悪かったんやけど。
しんどいなぁ。
お金はあるから家に引きこもればええんやけど、誰でもええから抱きしめて欲しかった。
温もりが欲しかった。
夜のホテル街を彷徨いては見たけど、新しい人と繋がるのは苦手。
自分から声をかけるなんて絶対に出来ひん。
どうしたらええんよ。誰か助けてや。
そんな風に彷徨い始めて、1週間。
この日はちょっと時間を変えてみたけど、誰にも声を掛けられず、もう無理や、諦めよって思ったとき、後ろから声を掛けられた。
嬉しくてすぐに振り向いたら、何回も俺を抱いた事のある奴やった。
男「久しぶりだね。」
橙「なんですか……?」
男「どうしても向井くんが忘れられなくて。最後に1回、寝てくれない?」
都合のええおっさんやな。
この1週間、連絡拒否しとったんはお前やんけ。
そんな奴と寝る気になんてなれんくて断る。
橙「いや……。」
男「向井くんの意見は聞いてないんだよ。ほら、はやく行くよ。」
そう言って腕を掴んできた。
俺は咄嗟に怖くなって、思いっきり腕を振り払ってダッシュでその場からにげだした。
途中で誰かにぶつかった気もしたけど、止まれんかった。
ほら、止まってもうたら追いかけられるかもしれんやん。
相手の人、怪我してないかな?ごめんなさい。
走って逃げて帰る途中、ふと靴紐が解けてる事に気付いた。
でも気づかんふりをして家まで帰る。
ほんの数日前に連絡もくれんくなった奴から、また仲良くしたい言われて誰が信用できんのよ。
そんなに人間関係やり直すん得意ちゃうねん。
家にたどり着いて、玄関に倒れ込む。
そのまま意識を失うかのように、寝てしまった。
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スノードロップ(プロフ) - R.Y kanoさん» コメントありがとうございます!短編集も作ったので、ぜひお暇があれば見に来てみて下さい! (2021年1月4日 23時) (レス) id: cb6f131ade (このIDを非表示/違反報告)
R.Y kano(プロフ) - お話とても面白かったです!ぜひ短編も読みたいです! (2021年1月4日 1時) (レス) id: e28c2c390a (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - むむむさん» コメント&リクエストありがとうございます!ぜひ!書かせていただきますので、更新を楽しみに待っていて頂ければなと思います! (2021年1月4日 1時) (レス) id: cb6f131ade (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - ジーナさん» コメント&リクエストありがとうございます!ご希望にお応えできる物が書けるか分かりませんが、更新されるのを楽しみに待って頂けると嬉しいです! (2021年1月4日 1時) (レス) id: cb6f131ade (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ(プロフ) - Miitoさん» コメントありがとうございます!短編集、作ったのでお暇なときにでも、ぜひ見てやって下さい! (2021年1月4日 1時) (レス) id: cb6f131ade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノードロップ | 作成日時:2021年1月2日 4時