愛されたい症候群

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橙side



桃「ねぇってばー！」



あかん。また１人の世界に入り込んでたみたいや。


俺の癖やね。


ほら１人で居る時間が長いと独り言が増えるっていうやん？


それと一緒や。


それに勝手に話しかけとるだけやし俺は悪ないはずや。


けど、あまりにもうるさいから、とりあえず話しかけてくる人の顔を見てみる。





…………デジャブや。


１ヶ月ほど前にもあったよな。こんな状況。


学校で見かけた人気グループの１人やろ。この人。


頼むから俺に関わらんとってや。


いや、向こうは俺の事なんて覚えてないやろうし、ホンマに心配してくれてるだけやろうけど。



桃「あっ！起きた？おはよう！」



この人距離感っちゅうもんを知らんのか。


もし俺が悪い人やったらとか考えんのかな？



桃「ねぇ！大丈夫？！聞こえてる？…………って、俺らどっかで会ったことある？」



うるさっ。


それに、それは思い出さんでええんよ。


ていうよりも思い出さん方が俺的には好都合なんや。



桃「どこだっけ？んー…………？」

橙「いや、あの初めましてですよね？」

桃「あれー？そうだっけ？」



良かった。思ってたより純粋な人やったらしい。



桃「あー！！思い出した！この前、学校に居たよね？！」





……おい。数秒前に安心した俺の気持ち返して。


なんで良いタイミングで思い出すんよ。



桃「初めましてじゃないじゃん！２度目ましてだね！！」



ポジティブって凄いんやなぁ。


普通に俺嘘ついたのに、めっちゃ笑顔で答えるやん、この人。

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