青 ページ34
丸「大倉！わかるんか？
やす！いま大倉手握ったで！！」
「ほんまか！おーくらよかった〜！すごいなぁ！こっちの手も握れる？？」
大倉の左手を両手で包み込むが、反応はない。
安「…まだ握れへんかぁ…ゆっくりでええから。ちょっとずつ戻るから大丈夫やおーくら！」
ピコーンピコーン
突然心電図のアラームが鳴った。
看護師さんが飛んできた。
看「大倉さん吸引しますね〜」
ズズズズズズ
人工呼吸器をつけたり外したりしながら、何度も吸引している。
大「ゲホッゲホッ…ケホッ」
吸引する度大倉は顔をしかめながら苦しそうに咳き込んでいる。
「おーくら〜つらいなぁ。もうちょっとやで〜」
腕をさすって声をかけるが、腕がカチカチに硬くなっている。
心電図のアラームが止まると、吸引も終わった。
おーくらの顔はひどく歪んだまま。
看「頑張りましたね！もうおしまいです！
大倉さん、喉に管が入っているので痰がゴロゴロしやすいんです。なのでモニターの青い数字が酸素の値なんですけど、それが下がっちゃうと今みたいにアラームがなります。痰を吸引しないと肺に落ちて肺炎になっちゃうので、いつも吸引頑張ってもらってるんです」
看護師さんは丁寧に説明してくれた。
「おーくらほんますごいなぁ。早く管抜けるとええんやけど…」
吸引中はとても速かったおーくらの心拍の音が、少しずつ落ち着いてきて、腕の緊張もとけてきた。
まだ意識ははっきりしないけど、全身で苦しいとか、落ち着いたとか伝えてくれるおーくら。
丸「ほんまにかっこええな大倉…こんなに頑張って必死で生きて…ほんまにかっこええよ！！泣」
そういってバシバシおーくらの腕をたたくマル
「ほんまに強いな…絶対すぐよくなる…一緒に乗り越えよな…」
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作者名：Aqua | 作成日時：2019年6月30日 22時
